からだ・美容
40代男性に必要な健康チェックとは? 医師が教える人間ドックの必須オプション検査3つ
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:高木 謙太郎

生活習慣病のリスクが本格的に高まり始める40代男性。仕事優先で日々、健康を後回しにしがちだからこそ、人間ドックで体の状態を点検してみてはいかがでしょうか。その際、40代男性がぜひ取り入れるべき3つのオプション検査について、四谷内科・内視鏡クリニックの総合内科専門医の高木謙太郎院長に解説していただきました。
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女性だけではない! 40代になると男性もホルモン減少で体調に変化が
40代男性の場合、テストステロン(男性ホルモン)の減少により、筋力の低下や疲れやすさを感じることが増え、基礎代謝の低下によって太りやすくなる傾向があります。また、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まり、健康診断で異常値が出ることが増える人も多いでしょう。
このような変化に伴って現れるのが、慢性的な疲れや関節痛、集中力や意欲の低下といった不調です。さらに、働き盛り世代ということもあってストレスや睡眠不足が重なり、心身の疲労を強く感じるようになることも少なくありません。
そこで、健康管理がより重要になるため、バランスの良い食事を心がけるようにしてください。たんぱく質や食物繊維を意識し、脂質や糖分の過剰摂取を避けることで、体の機能を維持しやすくなります。また、筋力を保つためには、ウォーキングや筋トレなど、適度な運動を習慣化することが有効です。
そして、ストレス管理も健康維持の重要なポイント。趣味を楽しむ時間を確保し、十分に休息をとって、心身のバランスをとるようにしましょう。そのうえで、生活習慣病の早期発見のために、人間ドックなど定期的な健康診断を受けるのがベストです。
40代男性が必ず受けておきたい人間ドックのオプション検査3つ
人間ドックを受ける際、40代男性はぜひ次の3つの検査をオプションで追加してください。
1. 胃がん・大腸がん検査(胃・大腸カメラ検査)
40代から、胃がんや大腸がんのリスクは上昇します。胃カメラは、胃内の病変を直接確認することができる検査です。ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に生息する細菌で炎症を引き起こす可能性があり、感染がある場合、胃がんの発症リスクはグッと上がります。そのため、胃カメラ検査で粘膜の状態をチェックすることが大切です。また、大腸カメラ検査もぜひ検討してください。大腸のポリープの有無を確認し、必要に応じて切除することで、将来のがん予防につながります。
2. 動脈硬化検査(心血管疾患予防)
40代になると、動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が高まります。頸動脈エコーや血管年齢測定を行うことで、血管の状態をチェックし、生活習慣の改善や適切な治療を検討できるようになります。高血圧やコレステロール値の異常を指摘されている人には、オプションの追加をとくにおすすめします。
3. 肝臓・膵臓の検査(上腹部CT・腹部MRI・腹部超音波検査)
飲酒や食生活の影響もあり、40代男性は、肝臓や膵臓に負担がかかりやすくなります。肝臓の脂肪蓄積や膵臓の異常を早期に発見するには、上腹部CT・MRIや腹部超音波検査を受けるのが有効。肝臓や膵臓の状態を把握でき、病変を早期に発見できる可能性があります。とくに、糖尿病、肥満症や飲酒習慣がある人は、オプション検査の受診を検討してください。
40代男性の体は、加齢やホルモンバランスの変化による影響が現れ始めるため、健康面で注意が必要です。リスクを適切に把握し、早めに必要な対策を講じるためにも、上に挙げた3つのオプション検査はマストで受けることをおすすめします。
【参考】
四谷内科・内視鏡クリニック
https://www.yotsuya-naishikyo.com/pylori/
(Hint-Pot編集部)