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50代男性に急増する病気リスクに備える 医師が教える人間ドックの必須オプション検査とは
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教えてくれた人:高木 謙太郎

50代男性は、心筋梗塞や前立腺がんなど、自覚症状が出にくい重篤な病気の発症リスクが一気に高まる年代といわれます。そうした見えないリスクを「見える化」するためにも、人間ドックは欠かせません。四谷内科・内視鏡クリニックの総合内科専門医の高木謙太郎院長によれば、追加で受診しておくと、より安心できるオプション検査もあるそうです。50代男性におすすめのオプション検査3選について、詳しく教えていただきました。
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生活習慣病のリスクが急上昇! 50代男性の健康は食生活と運動にカギが
50代男性の体は、加齢とホルモンバランスの変化により、さまざまな健康リスクが高まる年代といえるでしょう。とくに、男性ホルモン(テストステロン)の減少によって筋力が低下し、疲れやすくなる傾向があります。また、代謝が低下するので太りやすくなり、生活習慣病のリスクも増加します。
そのほかに現れやすい不調としては、慢性的な疲れや倦怠感、関節痛、集中力や意欲の低下が挙げられます。さらに、高血圧や糖尿病、動脈硬化など、生活習慣病にかかる危険性も上昇。健康診断で異常値が出ることも多くなる年代です。これらの症状を防ぐためには、日々の生活習慣を見直すことが重要になります。
生活習慣の改善には、まずバランスの取れた食事を意識することが大切です。たんぱく質や食物繊維を意識的に摂取し、脂質や糖分の過剰摂取を避けましょう。そして、筋力を維持するためにウォーキングや筋トレなどの適度な運動を取り入れ、代謝を促進することも効果的。また、健康を守るうえでは、ストレス管理も健康維持において重要な要素です。趣味やリラックスできる時間を確保し、心身のバランスを保つことが重要になります。
50代になったら“沈黙の臓器”の検査も検討すべき
なお、胃カメラや大腸カメラは、胃がんや大腸がんを含む消化器官の疾患を早期に発見できる重要な検査です。40代・50代ともに罹患リスクが高まるため、これらは人間ドックの基本検査として定期的に受診する習慣をつけておきたいところです。
50代の男性が人間ドックを受ける際に、オプションで追加していただきたい検査は次の3つです。
加えて、胃カメラや大腸カメラは、胃がんや大腸がんを含む消化器官の疾患を早期に発見できる重要な検査です。これらは40代・50代ともに罹患リスクが高まるため、定期的に受けるようにしましょう。
1. 動脈硬化検査(心筋梗塞・脳卒中予防)
動脈硬化とは、血管が狭くなり、心筋梗塞や脳卒中の原因となる病気です。とくに50代からはリスクが高まるため、頸動脈エコーや血管年齢測定で血管の状態をチェックするのがおすすめです。そうすることで、生活習慣の改善や、適切な治療を検討できます。高血圧やコレステロール値が気になる場合は、定期的に検査を受けると良いでしょう。
2. 肝臓・膵臓の検査(上腹部CT・腹部MRI・腹部超音波検査)
肝臓や膵臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、病気が進行しても自覚症状がほとんどありません。そのため、肝臓の脂肪蓄積や膵臓の異常を早期に発見するためには、上腹部CT・MRIや腹部超音波検査を受けるのがベスト。肝臓や膵臓の状態を把握でき、病変を早期に発見できる可能性があります。糖尿病、肥満症や飲酒習慣がある場合は、とくにオプションの追加をおすすめします。
3. 前立腺がん検査(PSA検査)
前立腺がんは、50代から発症リスクが高まる病気のひとつです。初期症状がほとんどないため、血液検査でPSA(前立腺特異抗原)の値を測定し、異常がないかを確認することが重要です。家族に前立腺がんの既往歴がある人や、排尿時に異常を認める人は、定期的な検査を受けるようにしましょう。
50代ともなれば、体の不調を感じる人が増えてきます。生活習慣病のリスクを抑えるには、生活習慣の改善に加え、定期的な健康診断を受けることが不可欠です。とくに、血液検査や動脈硬化検査を活用することで、病気の早期発見につながります。
(Hint-Pot編集部)