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「ひとくちちょうだい」をスマートに断る方法は? 覚えておきたいレストランでのマナー
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実

レストランで注文した料理をシェアするとき、新たに取り皿をもらうべきか、料理皿ごと渡したほうが良いのか、迷った経験がある人もいるかもしれません。そもそも、料理のシェアはOKなのでしょうか。また、同席者から「ひとくちちょうだい」と言われたものの、気が進まないときの対処法とは? 思わぬ恥をかかないために知っておきたい食事のマナーについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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シェアする際は店側に伝えて取り皿をもらう
料理のシェアがマナー違反かどうかは、レストランなどの店や同席している相手によります。
まずは店についてです。シェア前提の大皿料理の店であれば、問題ありません。カジュアルな飲食店で、人数分の料理を注文したうえでのシェアならば、マナー違反にはならないでしょう。
ただし、自分の料理をシェアする際に、皿ごと相手に渡したり、皿を交換し合ったりするのは、避けたほうが良い行為です。皿を落とす、料理をこぼすなどのリスクがあります。加えて、衛生面や見た目の点からもおすすめできません。また、店側に「口に合わない」などの意思表示と受け取られてしまう可能性もあります。
料理をシェアしたい場合は、店のスタッフに伝え、取り分け用の箸やカトラリー、皿をもらいましょう。シェアをしたいことを注文時に伝えておくと、よりスマートです。
フォーマルなフレンチレストランではマナー違反
フォーマルな格式高いフレンチレストランでは、シェアすること自体が基本的にマナー違反とされています。アラカルトでも、料理の一部を自らカットして、相手のお皿の端に置く行為は控えたほうが良いでしょう。皿を持ち上げることもマナー違反なので、互いの皿の交換はNGです。
どうしても料理をシェアしたい場合は、注文する際に店側に伝えてみることをおすすめします。または、シェアできる料理を聞いて注文するのも手です。あらかじめ取り分けてサーブしてくれることもあるでしょう。何も言わず、自分たちで互いの皿に料理を取り分けるのは周囲の雰囲気を壊しますし、お店側にも失礼な印象を与える可能性があります。
料理のシェアを相手が望んでいないことも
次に、同席する人への対応法についてです。シェア前提の大皿料理以外を取り分ける提案については、相手が望んでいないケースもあるので気をつけましょう。自分から相手の料理を「ひとくちちょうだい」などとお願いする行為は、相手に失礼と受け取られてしまうことも。相手との関係性をよく考えて、慎重に行ってください。
一方、食事を同席した相手から「ひとくちちょうだい」などとシェアの提案をされて、気が進まない場合は、角が立たないようにやんわり断るのがスマートです。「口をつけてしまったので、ごめんなさいね」とか「私、ひとりで味わいたい派なんです」など、冗談っぽくかわしても良いでしょう。
食事の場では、おいしさだけでなく“心遣い”も味の一部。相手も、お店の人も気持ちの良い時間になるよう、さりげない配慮を大切にしたいですね。
(Hint-Pot編集部)