食
「用意されたナプキンが汚くて使えない」という意味に 今さら聞けないテーブルマナー 注意すべき行動とは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
フランス料理のレストランや披露宴会場などでは、テーブル上にナプキンがセッティングされていることがあります。着席したものの、どのタイミングで広げて良いのか迷うかもしれません。また、ナプキンはどのように使うのが正しいのでしょうか? いまさら聞けないマナーについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
◇ ◇ ◇
ナプキンを広げるタイミングや位置
テーブルにあらかじめ設置されたナプキン。座ってすぐ手に取って広げてしまうのは、避けたほうが良いでしょう。なぜなら、料理を催促しているような、せっかちな印象を周囲に与えてしまうからです。
レストランであれば、料理を注文したあと、食前酒や前菜などが運ばれてくるタイミングで広げるとスマートです。披露宴などでは、乾杯したあとが良いタイミングといえるでしょう。
ナプキンは襟元にかけるのではなく、膝の上に広げるのがマナーです。表側が上になるように、二つ折りして膝の上に広げます。輪にした折り目を自分側にすると、膝から滑り落ちにくいでしょう。
そもそもナプキンの役目とは
ナプキンは、食事中に口や手を拭くために使うため、汚してかまわないものです。汚したら悪いからと、ご自身でティッシュやハンカチを取り出して拭くのは「用意されたナプキンが汚くて使えない」というメッセージになり、逆にマナー違反になってしまいます。食事の席では、提供されたナプキンで対応しましょう。
ナプキンは汚してかまわないものですが、その汚れが見えないように使うのがマナーです。したがって、ナプキンを二つ折りにしたら、表面ではなく重ねになっている裏面を使うようにしましょう。こうすれば自分の服を汚すことも、ナプキンの汚れが人目に触れることもありません。
もし食事中にナプキンを床に落としてしまったら、自分で拾うのはマナー違反です。スタッフに向かって手を軽く挙げ、会釈するようにして知らせてから拾ってもらいましょう。
やむを得ず中座する場合はどこに置く?
食事中に途中で席を立つことは基本的にNGですが、やむを得ず中座する場合、料理と料理の間、またはデザートの前など目の前に料理がないタイミングが良いでしょう。その際、ナプキンはテーブルや椅子の背もたれではなく、椅子の上に置くのがスマートといえます。重要なのは、ナプキンの汚れが周囲から見えないように軽くたたんでおくことです。
食事を終えて退席するときは、軽くたたんでテーブルの上に置くと良いでしょう。ナプキンをきれいにたたむのは「食事に満足しなかった」という合図になってしまうので避けたほうが良いことはよく知られていますが、あまりに雑に置いて帰るのはおすすめしません。そうするとナプキンの汚れた面が見えてしまい、見苦しくなってしまいます。きれいな面を表にして、角を少しずらして簡単にたたむと良いでしょう。
食事のシーンで、ナプキンは脇役的な存在ではありますが、うっかりマナー違反にならないよう、スマートに使いこなしたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾