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経口補水液で「日常的な水分補給」はNG? 熱中症予防に飲むべき飲料、気をつけたい飲料とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

暑い日の水分補給(写真はイメージ)【写真:写真AC】
暑い日の水分補給(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 連日、暑さが厳しくなってきました。熱中症対策として心がけておきたいのが、こまめな水分補給です。ただし、何を飲めば良いのか迷うこともあるでしょう。間違った認識や選択をして、水分補給のつもりがかえって体調不良につながっていることも。真夏を乗り切る適切な水分補給を、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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通常の水分補給には、天然水や麦茶などの飲み物を

 夏の水分補給に向く飲み物は、天然水です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込んでいるものが良いでしょう。水道水でも問題ありません。麦茶をはじめ、ルイボスティーやコーン茶、黒豆茶などカフェインを含まないお茶も熱中症対策の飲み物としては効果的です。

 一方、緑茶や紅茶、コーヒーは、カフェインを含み利尿作用があるので、体内の水分が失われやすくなり、おすすめできません。甘くておいしい炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水を水分補給とするのも、控えたほうが良いでしょう。

 これらの多くは、たくさんの糖質を含みます。水分補給として毎日大量に飲み続けていると、糖質の過剰摂取により肥満や糖尿病になるおそれも。また急激に血糖値が上昇し、重篤な高血糖状態になる「ペットボトル症候群」に陥るリスクが高まり、危険です。

 アルコールは、利尿作用があり脱水が進んでしまう可能性があるため、水分補給にはなりません。

スポドリ、経口補水液は日常的な飲み物ではない

 汗をたくさんかいたときは、塩分や糖分を含むスポーツドリンクを飲むのが良いでしょう。浸透圧が体液と同じになるように調整されている「アイソトニック飲料」とも呼ばれているものです。体内に吸収されやすい特徴があります。そのため、日常的な水分補給には向きません。

 同様に、経口補水液もふだんの水分補給として飲むものではありません。たとえば下痢や嘔吐、発熱、過度な発汗などによって脱水症状となった人が飲むものです。

 脱水時に体内から失われた水と電解質(ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)を素早く吸収できるように、特別な割合で配合されています。したがって、脱水状態でない人が日常的に飲むと、電解質を過剰に摂取することになり、健康を損なうリスクが考えられます。気をつけましょう。