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経口補水液で「日常的な水分補給」はNG? 熱中症予防に飲むべき飲料、気をつけたい飲料とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

飲み物での水分補給は少しずつこまめに

 飲み物による水分補給は、少しずつこまめに行うのがコツです。一気にたくさんの量を飲みすぎると胃腸に負担がかかり、水分をうまく補給できません。同時に、お腹がいっぱいになってしまい、食欲がわかないこともあります。

 目安として、コップ1杯(200ミリリットル)を、起床時・入浴前・入浴後・就寝前に加えて1時間半~2時間おきに飲むことをおすすめします。外出時はペットボトルやマイボトルなどで飲み物を持ち歩き、のどが渇く前に少しずつ、こまめに飲みましょう。個人差もあるので、状況に合わせてください。

水分補給は飲み物だけではない

 成人が1日に排出する水分量は、体重などによって違いがありますが、約2.5リットルといわれています。内訳は尿と便が1.6リットル、呼吸と汗が0.9リットルです。こうして排出される水分を補給する必要があり、水分が不足すると脱水症や熱中症の原因になります。

 水分補給というと、飲み物だけに意識がいきがちですが、食事をしっかりとっていれば、1日に必要な水分量の(約2.5リットル)の半分ほどは、補給できるといわれています。食事を取らず水ばかり飲んでいると、体内の塩分(ナトリウムイオン)濃度が薄まり、めまいや頭痛を起こすこともあります。さらに悪化すると、意識が朦朧としたり、けいれんを起こしたりする「水中毒」に陥る危険もあります。

 暑さで食欲がなく、あまり食べられない場合は、具材を小さく切って汁物と一緒にいただくと良いでしょう。朝にみそ汁を飲むと、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも補給できておすすめです。いろいろな食材を用いて、多くの栄養素が摂取できるよう工夫してください。

 そのうえで、上手に飲み物で水分補給し、熱中症対策をしていきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾