話題
「どうせまずかったとか書いてあるのだろうと思ったら…」 男性客が居酒屋に残したメモ 予想外の展開に感動
公開日: / 更新日:

居酒屋の片隅に残された小さなメモ。そこには、声という大切なものを失った一人の男性の、心からの感謝が込められていました。X(ツイッター)で39万件もの“いいね”を集めた黒かどや(@kadoya1)さんの投稿。数日後、予想外の展開を迎えました。
◇ ◇ ◇
声なき声に込められた、店への敬意
居酒屋の店主を務める黒かどやさん。7月31日の投稿で、お客さんが帰る際に「ありがとうございました」と声をかけたところ、無反応だったことを綴っていました。モヤモヤした気持ちで席を片づけようとしたところ、座席に残された小さなメモを目にします。
「ガンで声を失くしたので、この注文の仕組みは助かります。光り物が好きなので、アジ・イワシのていねいな仕事ありがとう。声がけできないのでメモしました」
手書きの文字一つひとつには、このお客さんの人柄と温かさが滲み出ています。料理人の技術と心遣いをしっかりと見つめ、感謝しながら料理を楽しんだのでしょう。口に出して言えないからこそ、伝えたい気持ちがより一層強くなったのかもしれません。
黒かどやさんは、「どうせまずかったとか書いてあるのだろうと思ったら、こんなことが書かれていて疑って申し訳ない気持ちとうれしい気持ちになった」と、そのときの複雑な感情を素直に明かしています。
この投稿には39万件もの“いいね”が集まり、大反響となりました。リプライ(返信)には、「心温まるメモ」「他人の優しさに気づけるのも感謝できるのも素晴らしいです」「声が出る人だってこんなことなかなか伝えられない」といったコメントが寄せられています。
再会の奇跡 言葉を超えた心と心のつながり

その約2週間後、さらにうれしい出来事が起こりました。
大盛況で忙しい店内。厨房に、笑みを浮かべながら一人の男性が近寄ってきました。黒かどやさんは緊張しながらも対応すると、その男性がメモを残してくれたお客さんだと気づきました。
お客さんは黒かどやさんの投稿を目にしていて、その反響の大きさをとても喜んでくれたそうです。黒かどやさんは7月31日の投稿を引用し、その日の出来事について、「会話はできなくても通じ合えた喜び」と投稿しました。
投稿からは、言葉を超えた、深い感動と感謝の気持ちが伝わってきます。奇跡のような素敵な再会は、きっと両者にとってかけがえのない思い出になったことでしょう。
(Hint-Pot編集部)
