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ミニトマトの皮がシワシワに…食べても平気? “正しい”保存のコツを栄養士に聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実

冷蔵庫の野菜室で保存していたミニトマト。食べようとパックを開けたら、皮がシワシワになっていた経験はありませんか。食べても平気なのか迷う人もいるでしょう。記録的な暑さや豪雨で食材の価格が安定しない今年の夏。しっかりと保存して無駄なく上手にいただきたいところ。ミニトマトについて、長持ちする保存のコツも含めて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ミニトマトの皮がシワシワになる原因
ミニトマトは、通常のトマトよりも熟した状態で収穫されるため、シワがよったり、しぼんだりしやすいです。収穫後も呼吸を続けており、少しずつ水分が蒸発しています。乾燥しやすい環境で保存されたり、時間が経過したりすると、トマトの皮のハリがなくなり、シワができやすくなります。
腐敗が進むと、異臭がしたり、カビが生えていたりすることも。単に皮にシワが寄っているだけであれば、水分が抜けている状態なので、まだおいしく食べられる可能性が高いです。ミニトマトをボウルなどに移し、50度程度のぬるま湯に1分ほど浸してみましょう。水分を吸収するので、短時間で表面にハリが戻ってきます。
ヘタ付きで保存するのはNG?
スーパーなどの店頭では、ミニトマトはヘタ付きでパックに何個も入って売られているのが一般的です。購入して、そのままの状態でパックごと冷蔵庫の野菜室に入れると、しなびやすくなり、新鮮さがキープできません。
ミニトマトを長持ちさせるためには、まずヘタを取ることがポイントです。ヘタが付いたままだと呼吸量が増えてしまい、水分が抜けやすくなります。またヘタの付け根部分は細菌や汚れがあり、水分が残りやすく、カビの原因となるリスクも。購入してきたら、1個ずつ丁寧にヘタを取りましょう。
ヘタを取ったミニトマトはパックには戻さず、袋に入れるか、またはキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。ヘタ部分を下にして保存したほうが日持ちするといわれています。食べる際は、よく水洗いしてください。
ビタミンCやリコピンなど栄養たっぷり
ミニトマトは通常のトマトよりも水分量が少ないため、栄養が詰まっているといわれています。美肌に欠かせないコラーゲンの生成を促すビタミンCをはじめ、必要時に体内でビタミンAに変わり、免疫機能を高め、目の健康を維持する働きもあるβカロテン、余分なナトリウムを排出し、体内の水分を調整することでむくみを予防するカリウムなどはミニトマトのほうが多めです。
このほか、トマトの代表的な成分で抗酸化力が強く、血流改善や肥満防止、美肌効果があるリコピン、便秘改善やコレステロール値、血糖値などの上昇の抑制に役立つペクチンなども含まれています。
これらの栄養成分は、皮に多くあるといわれています。皮ごと食べやすいミニトマトは、手軽に栄養補給できるメリットがあります。リコピンやβカロテンは油に溶けやすい(脂溶性)成分です。油と一緒に食べると、体内での吸収率がアップするので、生で食べるサラダなら油分を含むドレッシングを使うと良いでしょう。
ミニトマトの皮のシワなど見た目が気になる場合は、生ではなく、加熱してもおいしいです。リコピンは加熱することで吸収率が高まります。ビタミンCは熱に弱いので、損失してしまいますが、炒めたり、スープの具材などにしたりしても良いでしょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾