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炊飯時に入れるだけで古米が劇的変化 手間をかけずにふっくら炊き上げる驚きの裏ワザとは
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新米の収穫が各地で進んでいるものの、今年は高値の傾向が続いています。そのため割安な備蓄米や古米が引き続き注目されますが、いざ炊いてみると「パサパサしている」「甘みが足りない」と感じる人も多いのではないでしょうか。実は、炊飯時に「にがり」を入れるだけで、味と栄養の両面を補ってくれます。ミネラルの総合メーカー・赤穂化成株式会社の難波さんに、にがりを使った炊飯術について詳しく伺いました。
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にがりが米の細胞を守る仕組み
そもそも、備蓄米や古米は、なぜ新米に比べて味が劣るのでしょうか。お米は時間が経つにつれて、水分の蒸発や酸化により細胞壁が劣化し、炊飯時に細胞が壊れやすくなります。
その結果、米粒の形が崩れ、水分やうまみ成分が外に流れ出してしまうのです。また、古くなったお米は水分含有量も減少するため、パサパサとした食感になります。
おいしく炊く裏ワザはさまざまあり、みりんやお酒、サラダオイルを加えたり、木炭を入れたりと工夫している人は多いでしょう。なかでも注目したいのが、にがりです。
にがりの主成分であるマグネシウムには、ペクチンと結びつき、お米の細胞壁を強化する働きがあります。
炊飯時ににがりを加えることで、マグネシウムがお米の細胞壁に付着し、炊飯中に細胞が壊れることを防ぎます。これにより、水分とうまみがしっかりと閉じ込められ、お米がベタつかず、ふっくらとつややかに炊き上がるのです。
不足しがちなマグネシウムも手軽に補給
にがりを使った炊飯のもうひとつのメリットは、栄養面での効果です。白米は、精米によって玄米のぬか層や胚芽が取り除かれるため、ビタミンやマグネシウムなどの栄養素が大幅に減少してしまいます。
とくにマグネシウムは、骨や歯の形成に必要なだけでなく、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助け、血液循環を正常に保つ重要な栄養素です。
現代人の食生活では、マグネシウムが不足しがちだといわれています。炊飯時ににがりを加えることで、毎日の主食から、手軽にマグネシウムを補給することが期待できるでしょう。
目安はにがりの濃度に合わせて
にがりを使った炊飯のコツは、適量を守ることです。入れすぎると、苦味が出てしまう可能性があります。
一概ににがりといっても、商品によって濃度が異なるので、商品パッケージなどに書いてある目安量を参考にすると良いでしょう。
物価高騰が続くなか、割安な備蓄米や古米をおいしく味わえるにがりの活用法は、食卓の強い味方になりそうです。味と栄養、両方の面でワンランク上のごはんが楽しめるでしょう。
(Hint-Pot編集部)