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【万博】「多いなってびっくりしたの」 エジプト人スタッフが日本で驚愕 思わず「エジプトっぽい」印象を受けた光景とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ポルトガルパビリオンで働く、エジプト人のスースさん【写真:Hint-Pot編集部】
ポルトガルパビリオンで働く、エジプト人のスースさん【写真:Hint-Pot編集部】

 2025年大阪・関西万博の会期も、残すところあと1か月余り。連日多くの来場者でにぎわう万博会場では、各パビリオンで働く外国人スタッフたちが訪問者を迎えています。「海、青の対話」をテーマに、持続可能な未来における海の役割を強調する、没入型の体験を提供しているポルトガルパビリオン。そこでスーパーバイザーとして働くスースさんは、日本国内での思いがけない文化の違いに驚いているといいます。いったい、どんなことなのでしょうか。

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数え切れないほどの訪日経験を持つエジプト出身のスタッフ

 スースさんはエジプト出身。現在は、ポルトガルパビリオンにスーパーバイザーとして勤務しています。エジプトの大学で日本語を専攻し、フリーランスでエジプト大使館の通訳なども務めるマルチリンガルです。母国語のアラビア語のほか、英語、日本語、イタリア語も堪能で、これまでの来日回数は数え切れないほどだそう。

 日本語も非常に流暢なスースさんですが、今回の万博での勤務を通じ、日本の地域性の違いを改めて実感したといいます。

東京では見なかった光景 「エジプトっぽい」

 注目したのは、日常生活のひとコマでした。

「東京に行ったときはあまり見なかったけど、大阪に来て、路上喫煙が多いなってびっくりしたの。エジプトはどこでも吸っているんだけど(笑)、大阪はちょっとエジプトっぽいなって思った」

 6月に行われたある調査によると、大阪市のなんば駅周辺では、1日の午後5時から午後9時の間、路上に落ちていた吸い殻が4284本にも上りました。これは、同じ時間帯の東京駅周辺の1026本を大きく上回る数字です。

 なんば駅周辺には道頓堀などの観光スポットや繁華街があり、多くの外国人観光客も訪れます。路上喫煙が禁止されていない国から来た人にルールを周知することの難しさや、喫煙所の数の少なさが、こうした状況につながっていると分析されているようです。

 とはいえ、スースさんは路上喫煙の多さを、決して批判的にとらえているわけではありません。

「東京の人よりも、大阪の人のほうがオープンマインドな人が多いと思うわ」

 多くの国を訪れ、さまざまな文化に触れてきたからこそ感じられる、大阪特有の開放的な雰囲気。エジプト出身のスースさんにとって、どこか故郷を思い起こさせる親しみやすさがあるのかもしれません。

 万博という国際的な舞台で働く外国人スタッフたち。その目を通して見えてくる日本の多様性は、私たち日本人にとっても、自分たちの文化を新しい角度から見つめ直す貴重な機会になるかもしれませんね。

(Hint-Pot編集部)