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「先に行ってしまうお客さんも」 アメリカ人万博スタッフが感じる外国人と日本人の違い とくに顕著だった日本人グループの行動とは
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2025年大阪・関西万博の会期も残すところあと1か月余り。連日多くの来場者で賑わう万博会場では、各パビリオンで働く外国人スタッフたちが訪問者を迎えています。アメリカパビリオンで働くジョーさんは、日本語と英語の両ツアーを担当して、日本人特有の行動パターンを発見したのだそう。いったい、どのような行動なのでしょうか。
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独学で日本語を習得 パビリオンでは英語と日本語を駆使
1970年の大阪万博とは別の「月の石」を展示するなど、人気を集めているアメリカパビリオン。スタッフとして働くジョーさんはアメリカ出身ですが、流ちょうな日本語を話します。日本語は、6か月間の日本留学の経験があるものの、ほとんど独学で身につけたそうです。その語学力をいかし、現在は日本語と英語の両方でツアーガイドを務めています。
万博で両言語でのツアー経験を重ねるジョーさんは、今回の仕事を通じて、驚いたことがあるといいます。それは、同じパビリオン内でも言語によって参加者の行動が大きく異なることです。
英語ツアーでは先にいってしまう人も
「パビリオンの中を案内していると、館内はいくつかホールがあるのでそれを移動してもらうんです。誘導していると日本語ツアーと英語ツアーの場合では、参加者の動きが全然違うんですよ。
たとえば日本語ツアーのときは、日本人のグループなので、みんなが周りに合わせて行動しがち。『もっと前に来てください』『もっと奥にどうぞ』って言っても、なかなか最初の1人になろうとはしないんです。
逆に英語ツアーのときは、案内を聞かないで先に行ってしまうお客さんもいます(笑)」
日本では集団の調和を大切にする人が多く、欧米では個人の自主性を尊重する傾向が見られます。
「僕は日本語ツアーのほうがやりやすいかな」
集団として統制が取れた行動は、ガイドにとっては予測しやすく、全体の進行もスムーズになるようです。
文化の違いが生む行動の特性。万博の現場は、そんな違いを体感しながら、さまざまな価値観に出合える場でもあるのかもしれません。
(Hint-Pot編集部)
