海外発祥の料理を独自にアレンジし、新たなおいしさを生み出している日本の食文化。とくに「洋食」と呼ばれるジャンルは、“本場”と異なる味付けや調理法で、日本人の舌に合うよう進化を遂げてきました。YouTubeチャンネル「天然彼女エヴァちゃん」を運営する、日本人のりゅうさんとフランス人のエヴァさん。「日本風スパゲティに激怒するフランス彼女」というタイトルの動画で、エヴァさんが日本流のスパゲティに挑戦したところ、予想外の展開に。視聴者も驚きを隠せませんでした。

　◇　◇　◇

イタリア系ハーフのエヴァさん　日本風に困惑

　日本に住んで3年のエヴァさん。フランス人ですが、実は父親がイタリア人で、“本場”のパスタ文化にも精通しています。そんなエヴァさんに、りゅうさんが「今日は日本風のスパゲティ食べさせてあげる」と提案します。

「日本風って何？」と首を傾げるエヴァさんを前に、りゅうさんは手際良く調理を開始。タマネギ、ニンジンをみじん切りにし、フライパンでひき肉を炒め合わせる様子を見て、エヴァさんは「めちゃくちゃうまそうだけど、どこが日本風？」と疑問を口にします。

　しかし、りゅうさんがフライパンにケチャップを投入すると、エヴァさんは「ケチャップ!?」と目を見開いて驚愕。「ガチで、ガチでダメだけどね！」と必死に止めようとし、イタリア人に怒られると心配する様子を見せました。

　追い打ちをかけるように、フライパンに乾麺を入れ、はみ出た部分をポキポキと折り始めるりゅうさん。それを見て、エヴァさんの語気はますます強くなります。「ダメだよそれ。ほんまに。イタリア来ないで」と、イタリアの血を引く者として本気で心配している様子でした。

ひとくちで態度が一変　「私のスパゲティよりうまいぞ」

　少し嫌がりながらも、完成したスパゲティを口にしたエヴァさん。すると、少し戸惑った様子ながらも、予想外の言葉が飛び出しました。

「私のスパゲティよりうまいぞ」

　あまりにおいしかったようで、エヴァさんの態度は一変。「日本人やっぱ天才だよね。これからはケチャップで作るわ」と、すっかり日本風スパゲティの虜になってしまったのです。

　動画には、1万件もの“いいね”が集まりました。コメント欄には「食に関して、日本人は天才だと本当に思う。先人たちに感謝」「日本人化が進んでるね」「何がすごいって、ケチャップのクオリティが高いからなせる業」などの声が寄せられています。

「魔改造」が生み出す新たなおいしさ

　エヴァさんが驚くのも、無理はありません。フランスやイタリアでは、パスタの調理法や組み合わせに厳格なルールが存在します。また、ケチャップを使ったパスタも一般的ではありません。しかし、その常識破りな発想こそが、日本の食文化の真骨頂といえるでしょう。

　カレーライスやオムライス、エビフライなど、海外発祥の料理を日本流にアレンジした洋食は数多く存在します。これらの料理に共通するのは、単なる模倣ではなく、日本人の味覚や食習慣に合わせて独自の進化を遂げていることです。

　エヴァさんの「日本人やっぱ天才だよね」という言葉は、そんな日本の食文化への最高の賛辞といえるでしょう。

（Hint-Pot編集部）