Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

夏休みの自由研究、教師の“黙殺”対応に保護者疑問 「評価できないなら必須にしないで」ネットも共感

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

小学4年生の女の子が提出した自由研究【写真提供:ベルちゃん@ホーランドロップイヤー(@aroma_chlove)さん】
小学4年生の女の子が提出した自由研究【写真提供:ベルちゃん@ホーランドロップイヤー(@aroma_chlove)さん】

 夏休みの宿題として多くの小学校で課されている自由研究。親子で時間をかけて取り組んだにもかかわらず、学校からの反応が全くなかったという母親の投稿がSNS上で大きな話題を呼んでいます。ネット上では「必須の宿題なら評価すべき」「教師が忙しすぎる現状こそ問題」など、教育現場の在り方を問う声が相次いでいます。40代で小学4年生の女の子と2年生の男の子を育てる投稿者の女性に詳しい話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

研究期間1週間の力作を提出も、教師からの評価やコメントは一切なくわずか3日で返却

「小4娘の夏休みの自由研究。こんなレポートでもまとめるのに丸1日かかったのに(研究期間は7日)友達はおろか先生からも何のコメントなかったって悲し過ぎるからここに載せる。学校もさ先生忙しくてちゃんと見れない評価できないなら自由研究とか工作とか必須の宿題にしないで欲しい」

 今月上旬、SNS上に投稿された写真には、「うさぎは1日にどれくらいうんちするの? 1週間数えてみたよ!」と題された、小学4年生の女の子が取り組んだ自由研究の結果が収められています。方眼紙にまとめられたレポートでは、ペットのウサギのフンの量を1日ごとに7日間分記録。日々のフンの個数や重さ、食べた餌や水の量などが写真とともに細かく記されています。まとめでは、「うさぎは毎日300個以上のうんちをしていることがわかった」「うさぎは、おなかがつまってうんちが出なくなると死んでしまうこともあるので、これからもたくさん食べて、飲んで、たくさんうんちをして、元気に長生きしてほしいです」と研究の結果や感想などがつづられています。

 投稿者は夫婦ともに40代で、小学4年生の長女と2年生の長男、ペットのウサギ1羽の5人家族という今日のベルちゃん@ホーランドロップイヤー(@aroma_chlove)さん。昨年愛犬を亡くした後、娘の希望でウサギを飼い始めたそうで、今回の自由研究は、将来獣医を目指す娘が「ウサギのうんちを数えてみたい」と言ったことが始まりだったと振り返ります。

「自由研究は2人で笑いながらコロコロ転がるうんちを並べ、1週間毎日、300個以上のうんちを数えて大変でした。それからネットでまとめ方を調べて、何をどう載せるかを2人で考えました。自由研究を出すからには、人に読んでもらうに値する出来にしなければと思い、私もある程度下書きをして手伝いながら、娘が丸1日かけて一生懸命仕上げました」と投稿者。研究期間7日とレポート作成1日をかけた力作でしたが、学校に提出してからわずか3日後には返却されたといい、「返却時に先生から何かコメントはあったのかと聞いたら、『何もなかったし見てるかどうかも分からない』と。子ども同士での鑑賞会はあったみたいですが、自由研究を提出した子はみんな誰からも見られなかったと聞いて、頑張ったのに残念だなと思いました」と複雑な思いを口にします。

 学校側からの反応がまったくなかったことに深く落胆した母娘。「頑張った自由研究が誰にも見られず終わってしまうのは悲しいので、『SNSに載せてみる?』と聞いたら『載せる!』というので投稿しました。想像以上にたくさんの方から反応をいただき、そのほとんどが娘の自由研究を褒めていただく内容で、鳴り止まない通知音に娘はすごく喜んでいました」。

 一連の経緯についてつづった投稿は、1.2万件のリポスト、16万件もの“いいね”が寄せられるなど話題に。「素晴らしい自由研究」「小4でこれはすごい」といった称賛の声や、「コメントなしって酷すぎる」「忙しいなら必須にしない方がいい」「先生がちゃんと見ないなら宿題にする意味がない。子供のモチベーションが下がるだけ」「教育現場の人間として、ちゃんと自己肯定感を育ててやって欲しい」など、学校側の対応を疑問視する声が多数寄せられました。

 反響について、投稿者は「ほとんどの方は自由研究を褒めていただいたり、投稿内容に共感していただいてるコメントで、娘ともどもとてもうれしく、本当にありがとうございますと言いたいです。一方で、『親が手伝っている』『自由研究なんだから教師がコメントするしないも自由』といった批判コメントもかなりありました」と口にします。

「私は自由研究とは提出して、学校から評価や感想をもらうまでが学習だと思っていましたが、1人だけじゃなく同じことを言われてる方が何人もいて、自由研究の『自由』の解釈が的外れなことに驚きました。先生が見る見ないも『自由』な研究なら、提出するしないも『自由』で、なおさら任意にすればいいのにと。親が手伝うことを批判することもありましたが、工作ならともかく、自由研究のやり方やまとめ方は学校では習わないので、それを言うなら親が手伝わないとできないような課題を出す方が問題だと思います。よっぽど優秀な子は1人でできるかも知れませんが、親が手伝ってはいけないなら、ほとんどの子は1人ではできず、途方に暮れてしまうのではないでしょうか」

 自由研究の在り方を巡り、大きな議論を起こした今回の投稿。投稿者は「教師が忙しいのは分かっています。親への対応を省くのは構いませんが、子どもに関する業務は省かないでほしいと思います」と話しています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)