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「日本海にいたらいけないはずでは?」 ベテラン漁師が“珍客”に仰天 本来いるはずのない南国の魚とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

普段楽しむ釣りでは大物のシーバスもヒット【写真提供:出雲の釣り人“わや”(@turiaka0320)さん】
普段楽しむ釣りでは大物のシーバスもヒット【写真提供:出雲の釣り人“わや”(@turiaka0320)さん】

 地球温暖化などによる海洋環境の変化で、これまでその海域では見られなかった魚が捕獲されるケースが増えています。本来その場所にいないはずの魚が現れ、漁師や釣り人を驚かせることも。X(ツイッター)では、島根県の日本海で、南方に生息するはずの魚を捕獲した漁師の投稿に注目が集まっています。投稿者の出雲の釣り人“わや”(@turiaka0320)さんに、詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

漁師歴10年で初めて目にした、暖かい海の魚

「君は日本海にいたらいけないはずの魚では?(笑)漁師10年してて初めて見たw」

 そんなコメントを添えて、1枚の写真を投稿した漁師歴10年のわやさん。島根県出雲市沖合いでの漁の最中、網にかかった見慣れない魚に遭遇しました。わやさんによると、その魚は本来、ハワイや宮崎県などの暖かい海域に生息するボーンフィッシュ(ソトイワシ)とみられるそうです。

 投稿に添えられた写真には、船の甲板に並んだ2匹のボーンフィッシュが写っています。体が細長く、とがった口先が特徴です。ウロコがはがれやすいため、2匹ともところどころウロコが取れています。

 この魚は通常、温暖な海域の浅瀬に生息し、釣りの対象魚としても人気が高い種類です。しかし日本海、とくに山陰地方の海域で見つかることはほとんどないといいます。

 投稿には多くの反応が寄せられ、リプライ(返信)には「島根でボーンですか! 夢がありますね!!!」「水温が関係しているんですかねぇ」「南方のきれいな浜の魚じゃないんか……?」など、海の環境変化や珍しい魚の発見に関心を示すコメントが集まっています。

温暖化の影響と水温の上昇

本来は暖かい海に生息するというソトイワシ【写真提供:出雲の釣り人“わや”(@turiaka0320)さん】
本来は暖かい海に生息するというソトイワシ【写真提供:出雲の釣り人“わや”(@turiaka0320)さん】

 わやさんはこれまでにも、マンタやウミガメなど、たくさんの珍しい海洋生物を捕獲したことがあるそうです。それでも、今回のソトイワシとの遭遇は初めてだったといいます。

 ちなみに、この珍しい魚の味については「おいしくない魚で有名なので」とわやさん。貴重な発見ではあったものの、食材としての価値は高くないようです。

 めったに見られない魚との出合いは、驚きと感動を与えてくれましたが、その背後には温暖化による海の変化があるのかもしれません。だからこそ、私たち一人ひとりが自然環境を大切にし、豊かな海を未来へとつないでいくことが大切です。山陰の海が、これからも多くの命を育む場所であり続けるよう、気をつけていきたいですね。

(Hint-Pot編集部)