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「こんな切符存在しないんですよ」 大学准教授が困惑 レアすぎる誤発行に驚きの声「なんかホラー感ある」
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窓口でのやりとりに反省点も

以前、土地勘のないところへ行った際に、乗車区間を間違って購入してしまった経験があったという鈴木さん。遠方の慣れない土地へ行く際には、なるべく窓口で切符を購入するそうです。今回の切符購入時もトラブルなく、スムーズだったと当時の状況を振り返ります。
「スマホの乗り換えアプリを見ながら、『高崎-東京、東京-名古屋、名古屋-二見浦、すべて自由席でお願いします』とお伝えしました。名古屋-二見浦は本来、乗車券のみで自由席扱いなのですが、アプリを見てそのように言ってしまったんです」
最初は「二見浦(ふたみのうら)」という駅名が伝わらなかったため、鈴木さんはスマホの画面を見せるなどしたとのこと。ただ、その後は問題なく手続きが進んだそうです。
「その後、1枚1枚確認して手渡しされたのですが、私も何の疑問もなく受け取っていました。今は窓口の方だけの責任とはいえないと思っています」と、自身の対応にも反省点があったと語ります。
民俗学者ならではの反応も
鈴木さんの専門は民俗学と国文学。この体験に対し、研究分野ならではの反応も寄せられたといいます。
「『民俗学者が手にしていた切符はこの世に存在しない特急券だった』みたいに、ちょっとした都市伝説のネタ的に扱ってくださる方も多く、『あ、そういう視点もあるのか』と感心しました」
ゼミ生からは「万バズしてるじゃないですか!」「おめでとうございます!」との声が上がり、なかには家族や友人から連絡を受けた学生もいたとか。
一方で、鈴木さん自身は複雑な心境を明かします。「普段は自分の研究内容である、日本における牛頭天王(ごずてんのう)信仰についてポストすることが多く、「#牛頭天王をバズらせたい」というハッシュタグまで作って『牛頭天王でバズりたい』と意気込んでいたので……『あれ……こんなことでバズってしまったんか』みたいな思いが強かったですね」
現在も話題の切符は手元にあり、「おもしろい経験をした記念に手元に置いておこうかな」と考えているそう。JR東日本で働くゼミの卒業生からは丁寧な返金方法も教わったといいますが、まだ手続きは行っていないとのことです。
鈴木さんは、中世から近世にかけて日本各地で広く信仰の対象となっていた牛頭天王の研究を20年以上続けており、その成果をまとめた著書『牛頭天王信仰の中世』(法藏館、2019)も出版されています。今回の「幻の切符」体験も、民俗学者らしい視点で捉えた興味深いエピソードとして、いつか研究のヒントになる日が来るかもしれませんね。
(Hint-Pot編集部)
