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カレーでよく見る「ナン」はインドにない? 三角形も日本独特 意外に知らない“本場”の事情とは
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日本人なら誰もが知っている、インド料理店の定番「ナン」。実はこれ、インドではまったく見かけないのだとか。さらに、「カレー」もインドにはないといいます。“本場”のインド料理は、日本で慣れ親しんだものとはまったく別物だそう。インド研究家で旅するライターの中谷秋絵さんが、日本とは違いすぎる現地のインド料理を紹介します。
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日本のナンは、インドには存在しない?
大きなナンとバターチキンといえば、日本のインド料理店で定番のメニュー。実は、インドではそれほど多くナンを食べません。
ナンはもともと、ムガル帝国時代の宮廷料理のひとつで、発酵させた小麦粉の生地をタンドール窯で焼いたもの。インドにおいて、宮廷料理は今も高級料理として、レストランで提供されています。
そのため、ナンは日常的に食べるものではなく、高級レストランでたまに食べる程度のものなのです。
一般家庭で食べられる主食は、「チャパティ」という全粒粉を使った無発酵のパン。精製された小麦粉より全粒粉のほうが安価で、家庭のコンロでフライパンを使って作れるため、庶民の味として広く親しまれています。

そもそも、一般家庭にはタンドール窯がないため、ナンは家で作れる代物ではないのです。

しかも、インドのレストランで見かけるナンは、丸い形がほとんど。日本の細長い三角形のようなナンは見たことがなく、なぜあの形が日本で普及したのかは謎です。
