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らっきょうのすごすぎるパワー カレーとのコンビもメリット多数 1日何粒までOK?
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教えてくれた人:和漢 歩実
古くは薬として使用されていた食材だけに、見逃せない栄養素が豊富な「畑の薬」ことらっきょう。漬け物の状態で手に入れることがほとんどですが、旬を迎える6月は生のものが出回る時期です。ちなみに、土寄せして若いうちに収穫したらっきょうは「エシャレット」。辛味が少なく生でもおいしく食べられますが、玉ネギの一種「エシャロット」とは別の野菜です。今が旬のらっきょうについて、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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古くは薬として利用 砂丘地でも育つほど生命力あふれる植物
原産地の中国で、古くは薬として利用されていたらっきょう。9世紀頃に伝わったといわれる日本でも、当初は薬として使われていました。野菜として普及したのは江戸時代に入ってから。砂丘地でも育つほど、生命力あふれる植物としても知られています。
秋に淡い可憐な紫色の花をつけ、越冬して葉の根元が大きくなります。初夏に食用として収穫されるのは、この根元の部分です。旬の生らっきょうは自家製の漬け物にしたり、炒め物にしたりすると美味。水洗いをして汚れを落とし、薄皮をむいて使いましょう。
新鮮なものを選ぶなら、洗う手間はかかりますができれば土がついていて、粒が揃ったものを。芽が伸びていたり、緑がかっていたりするものは、鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。日持ちしないので、手に入れたらすぐに使いきります。
らっきょうの栄養はパワフル 食べすぎは注意
らっきょうは「畑の薬」とも呼ばれます。その理由はまず、食物繊維がたっぷりと含まれていること。特に水溶性食物繊維であるフルクタンは腸内環境を整えたり、糖や脂質の吸収を抑制したりする効果が期待できます。
またカリウムも豊富。カリウムは余分な水分やナトリウムを排出する働きがあるため、高血圧予防が期待できるでしょう。独特の香りはアリシンと呼ばれる成分です。血流を良くし体を温め、いわゆる“血液サラサラ”の効果もあります。殺菌作用や消化促進、疲労回復などにも注目される成分です。
とはいえ、食べすぎると胃腸に負担がかかります。殺菌作用があるということは、過度の摂取で胃の粘膜が荒れることにもなるので、胃もたれや胸やけの発生も考えられるでしょう。
甘酢漬けの場合は、糖質や食塩も含まれているので注意が必要です。シャキシャキとした食感がおいしく、つい食べすぎてしまうのですが、大粒(10グラム)のものなら1日3粒を目安にしましょう。