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「ほとんど食事ができていない」 アメリカ人に不評で日本人添乗員はびっくり 意外に人気がない日本食メニューとは

公開日:  /  更新日:

著者:Ana

魚ばかりは飽きてしまう? メインが何かが重要

寿司も外国人には人気のはずが…【写真:Ana】
寿司も外国人には人気のはずが…【写真:Ana】

 全体的に、魚メニューは反応がいまいちでした。日本人であれば、刺身や寿司、フライ、煮物、焼き魚など、調理法や魚の種類が変われば、それほど重複しているようには感じられないと思います。また、魚以外にも、野菜や肉が入っている副菜も出てきます。しかし、アメリカ人にとっては、調理法や種類が違っても「魚は魚」。また、サイドメニューがいろいろあってもメインが何かが重要で、魚ばかり出てくるのは飽きてしまうようでした。

 ある日の昼食は、居酒屋風ランチで焼き魚と蒸し野菜+豚肉。夕食は海鮮系のお店で、刺身のしゃぶしゃぶ鍋とにぎり寿司がメインでした。すると、数名から「何か肉のメニューはないのか?」との質問が。ある参加者は「普段ほとんど魚を食べないので、実はこの2日間、ほとんど食事ができていない」ということだったのです。

「寿司=外国人に人気」というイメージが強いですが、この日ばかりは握り寿司が残ってしまうほどで、テーブルごとに「誰が食べる?」と譲り合いが発生。最終的には、若い男性参加者が「じゃあ俺が食べるよ」と大量に引き受けてくれて助かりましたが、これもまた想定外でした。

 アメリカの食文化では、たんぱく源といえばやはり肉が主役。焼き魚や刺身が日常的に出てくる家庭は、ほぼないでしょう。だからこそ、魚が続くと、それがたとえ人気の寿司であっても物足りなさを感じてしまう人もいるのだと思います。

文化の違いが生む“食のギャップ”

外国人は慣れ親しんだ肉料理が恋しくなりがち【写真:Ana】
外国人は慣れ親しんだ肉料理が恋しくなりがち【写真:Ana】

 今回は、ウナギや魚料理に苦戦する姿も見られましたが、しゃぶしゃぶやから揚げ、ラーメン、和風創作フレンチなど「日本でしか食べられない!」と大喜びだった料理もたくさんありました。最終的には「日本のグルメはおいしい!」「やっぱり来て良かった」と高評価でした。

 加えて、アメリカのお客様たちは「これは単に私たちの好みの問題。食べられなくて申し訳ない。むしろ、いろいろな食べ物があって、日本の食文化を知ることができて楽しい」と前向きに受け止めてくれていました。

 食の好みは、国や育った環境に深く根差しているもの。私たち日本人も海外に行けば、どんなに現地の食事がおいしくても、数日もすると「日本食が恋しい」となりますよね。海外ツアーに行くと、だいたいの日本人のお客様から、2日目くらいで「もっと野菜が食べたい」「油ものばかりで胃がもたれる」、4~5日目には「だしが飲みたい」「カレー、牛丼、ラーメンが食べたい」というお声を聞くので、気持ちはよくわかります。

 食文化は、私たちのライフスタイルや育ってきた環境をはっきりと写す鏡であると同時に、好みも本当にさまざまなのだと、改めて実感しました。

(Ana)

Ana(アナ)

旅アドバイザー&トラベルライター。学生時代から海外旅行に魅了され、これまで世界約50か国をめぐってきた大の旅好きで、海外添乗員として活動していた経験もある。行った旅の数と比例して、経験してきたトラブルや事件は数知れず。コロナ禍を経て、再び海外へ飛びながら旅に役立つ情報、異文化を楽しむ知恵などを日々発信中。