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アメリカで遭遇したバス内の迷惑行為 「意味がわからない」けれど何も言えず……乗客たちがにらみつけた男性の行動とは

公開日:  /  更新日:

著者:Yo

ラッシュ時に乗客が一斉に乗り込むアメリカのバス【写真:Yo】
ラッシュ時に乗客が一斉に乗り込むアメリカのバス【写真:Yo】

 通勤ラッシュ時の公共交通機関では、多くの人が不便を強いられます。日本では、ドア付近に立った人が駅ごとに降りて、通路を空ける光景がよく見られますが、なかには頑なに動かない人も。こうした“ドア横キープ”は日本だけでなく、海外でも起きる現象のようです。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに暮らすYoさんが、現地の生活を綴るこの連載。第10回は、バスで出会った“ドア横キープマン”についてです。

 ◇ ◇ ◇

ドアの横を譲らない乗客に遭遇

 語学学校に通う筆者は、毎朝8時頃、電車からバスに乗り換えます。運転席の横のドアから乗り、いつも満員になるため、後方まで詰めなければなりません。しかしある日、筆者の1人前に乗り込んだ男性が、バス中間部にあるドアの横で止まりました。

 後ろから続々とほかの人が乗ってきますが、彼が詰めないと全員は乗れません。しかし、彼は1点だけを見つめて、まったく動こうとしませんでした。

「詰めてもらえませんか?」と声をかけようと思いましたが、足腰が悪いなどやむを得ない理由があるかもしれないと考え、筆者は何も言わないまま、隙間を縫って後方まで移動。結局、事態は改善することなく、数人が乗れないまま発車してしまいました。

「運転手が譲るように言わないといけない」

 学校で、カナダ人の先生にこの出来事を話すと「それは気味が悪いわね。意味がわからない」と、眉間にシワを寄せていました。さらに、「あなたが何も言わなかったのは間違っていない。危ないし、あなたは自分を守らないといけないんだから。そういうときは、運転手が譲るように言わないといけない。運転手は、車内で何かあれば注意することがあるのよ」と教えてくれました。

 日本の公共交通機関では、降りる人を先に通したり、席を必要とする人に譲ったりすることが一般的。また、車内で静かに過ごすのがマナーとされています。他者を気遣い、みんなで気持ち良く過ごすことを大切にする日本文化。幼い頃に教えられた、譲り合いの精神の必要性を改めて感じました。

(Yo)

Yo(ヨウ)

新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。