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「『無理!』って違うところに行ってしまう」「日本は発達している」 万博アメリカ館スタッフが体感した、日本と母国の違いとは
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2025年大阪・関西万博は13日、約半年間の会期を終え、惜しまれながらも閉幕。世界中から多くの人々が訪れ、文化交流の場になりました。1970年の大阪万博とは別の「月の石」を展示するなど、人気を集めたアメリカパビリオン。そこで働いた外国人スタッフたちにとっても、日本での日々は驚きと発見に満ちたものでした。彼らが目の当たりにした日本の意外な文化とは、なんだったのでしょうか。3人のスタッフが語った体験談を振り返ります。
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集団行動に見る“日本人らしさ”
○「先に行ってしまうお客さんも」 アメリカ人万博スタッフが感じる外国人と日本人の違い とくに顕著だった日本人グループの行動とは
アメリカパビリオンのスタッフとして働いていたジョーさん。アメリカ出身ですが、流暢な日本語を話します。万博では日本語と英語、両言語でのツアー経験を重ねました。
そんなジョーさんには、今回の仕事を通じて、驚いたことがあるといいます。それは、同じパビリオン内でも、言語によって参加者の行動が大きく異なっていたことです。
「日本語ツアーと英語ツアーの場合では、参加者の動きが全然違うんですよ。たとえば日本語ツアーのときは、日本人のグループなので、みんなが周りに合わせて行動しがち。『もっと前に来てください』『もっと奥にどうぞ』って言っても、なかなか最初のひとりになろうとしないんです。逆に英語ツアーのときは、案内を聞かないで先に行ってしまうお客さんもいます(笑)」
日本には集団として調和を大切にする人が多い一方、欧米では個人の自主性を尊重する傾向が見られます。「僕は日本語ツアーのほうがやりやすいかな」とジョーさん。集団として統制が取れた行動は、ガイドにとって予測しやすく、全体の進行もスムーズになっていたようです。
