カルチャー
イタリア人「いろいろな味が楽しめる」→感動した日本の味… とくに印象に残った食事スタイルとは
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四季折々の食材を繊細な技法で仕上げる和食。素材本来の味を大切にする調理法、美しい盛り付けなど、おもてなしの心が伝わる日本食の魅力は、海外から訪れる人々の心を掴んで離しません。イタリアから研究実習で来日した大学生も、教授たちとの食事を通じて、日本食の奥深さに触れたといいます。とくに印象に残っている日本の味とは、どんなものだったのでしょうか。
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研究のために初めて訪れた日本
イタリア・トリエステ在住のガブリエレ・バルトニーニさんは、物理学を専攻する大学生です。幼い頃から日本に興味があり、日本はいつか行きたい国のひとつだったそう。その夢が叶ったのは、2023年のことでした。
総合研究大学院大学の奨学金プログラムで、約1か月間、日本に滞在。研究施設での充実した日々のなか、日本の研究者たちの高い能力に、感銘を受けたといいます。
「日本の研究所で、粒子のマテリアルを分析しました。2週間、ほかの研究者たちと意見交換をしました。特別な専門の教授と学ぶことができました。日本の教授たちは、とても優秀で世界から認められ信頼されています」
大学卒業を控え、現在は卒業論文を執筆中。卒業後は、ドイツの大学院で研究を続けるそうです。
教授たちとの食事で感じた、日本の おもてなし
ガブリエレさんが研究所での学びと同じくらい印象に残っているのが、教授たちと食事に行ったことだそうです。日本食の味わいはもちろん、そこに込められた心遣いに深く感動したといいます。
「歓迎を受けました。教授たちも、みんなとても親切に、良く接してくださいました。そして食事がとてもおいしかったです」と振り返ります。食事の場は、単にお腹を満たすだけの時間ではなく、日本文化を体感する貴重な機会になったようです。
「僕は和食がとても好きです。なかでも刺身が好き」と語るガブリエレさん。素材の味を生かした、日本の食文化に感激したようです。
そんなガブリエルさんは、イタリア料理とは趣が異なる、日本料理の繊細な味付けや調理法に、新たな美食の世界を発見したといいます。
「小さなお皿にいろいろな料理がのったお膳が好きです。天ぷらやみそ汁、ごはんなど、いろいろな味が楽しめるからです」
ガブリエレさんを魅了したお膳料理は、日本の伝統的な食事スタイルのひとつ。お盆やお膳に、ごはんや汁物、主菜、副菜、香の物を並べ、彩りや味のバランスを重視した構成が特徴とされています。
ひとつの食事で多様な調理法や味を楽しめる点に、ガブリエレさんは魅力を感じたようです。
研究者としての学びだけでなく、教授たちとの食事を通じて、日本のおもてなしの心に触れたガブリエレさん。一皿一皿に込められた繊細な技と心遣いは、言葉を超えたコミュニケーションとなり、深く心に残ったようです。
(Hint-Pot編集部)
