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「日本は見習いたいと思うような国」 ドイツ人が「何よりも似ている」と感じた日本とドイツの共通点とは
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国や文化が違っても、人々の心に響く価値観には通じ合うものがあります。長年にわたりドイツと日本の映画交流に携わってきたドイツの映画祭ディレクター、ミヒャエル・ハーバウアーさんは、何度も日本を訪れるうちに、両国に共通する精神や考え方に深く共感したといいます。いったい、どんな共通点を見つけたのでしょうか。
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「キネコ名誉賞」受賞で特別来日
ドイツの青少年映画祭「シュリンゲル」の創設者で、フェスティバルディレクターを務めるミヒャエル・ハーバウアーさん。同映画祭はヨーロッパで最大の子ども向け映画の発信の場として知られています。
その中心的存在として長年活動してきたミヒャエルさんが、東京で10月31日から11月4日まで開催されるキネコ国際映画祭に、「キネコ名誉賞」受賞者として特別ゲストで招かれました。
オープニングセレモニーでミヒャエルさんは、「文化と人の架け橋になりたい思いで映画祭を始めたので、このような形で叶ったのではないかなと思っています」と挨拶。映画を通じた国際交流への情熱を語りました。
「見習いたいと思うような国」 ドイツと日本の相違点
日本を何度も訪れているミヒャエルさんは、今回の訪日も心待ちにしていたといいます。ドイツと日本の違いについて、次のように語ってくれました。
「日本人のほうが全体的にとても礼儀正しいし、人に対して思いやりがあるなと思いますね。日本はドイツからすると、見習いたいと思うような国です」
ミヒャエルさんが指摘する日本人の礼儀正しさや思いやりは、多くの訪日外国人が共通して挙げる日本の美徳です。公共の場での静かな振る舞い、他者への配慮、丁寧な言葉遣いなど、日常のさまざまな場面で表れる日本人の気配りは、海外から高く評価されています。
一方で、ミヒャエルさんは両国の共通点についても言及しました。
「ドイツと日本は文化的にとても異なるけど、似ている部分もあります。何よりも似ていると感じるのは、自由や平和への考え方。第二次世界大戦で同じような立場だったからなのかもしれません」
ドイツと日本は第二次世界大戦後、ともに平和国家としての道を歩んできました。両国とも戦後の憲法で平和主義を掲げ、国際社会における信頼を築き上げてきた歴史があります。両国とも過去の歴史と真摯に向き合い、教育や記念施設を通じて平和の大切さを次世代に伝える取り組みを続けています。
異なる文化を持ちながらも、歴史的経験を通じて共通の価値観を育んできたドイツと日本。映画という文化を通じて両国の架け橋となっているミヒャエルさんの活動が、今後もさらに広がっていくことを期待したいですね。
(Hint-Pot編集部)
