Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

イタリア人「やりとりを試みましたが…」 日本滞在でアクシデントに直面→「世代による違い」を感じた出来事とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

イタリア・トリエステ在住の大学生、ガブリエレ・バルトニーニさん【写真:Hint-Pot編集部】
イタリア・トリエステ在住の大学生、ガブリエレ・バルトニーニさん【写真:Hint-Pot編集部】

 日本の治安の良さや清潔な街並み、そして繊細な食文化は、多くの訪日外国人を魅了してやみません。一方で、外国人旅行者が困難を感じる瞬間もあるようです。イタリアから来日した大学生は、滞在中に予期せぬ事態に直面し、そこには想像以上の出来事が待っていました。いったい、どんなことがあったのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

教授や研究者たちと過ごした時間に感謝

 イタリア・トリエステ在住のガブリエレ・バルトニーニさんは、物理学を専攻する大学生です。2023年の夏頃、約1か月間の研究実習のため、初めて日本を訪れました。

 総合研究大学院大学の奨学金プログラムで、世界各地から集まった学生たちとともに充実した日々を過ごしたガブリエレさん。日本の研究施設で最先端の研究に触れ、多くの学びを得たといいます。

 研究所では、日本の教授たちから直接指導を受ける貴重な機会に恵まれました。ガブリエレさんは当時を振り返り、その経験の素晴らしさを語ります。

「日本の大学に世界各地から学生が集まって、実習や研究を行いました。研究者や教授たちと意見交換をして、新しいことも学び、とても素晴らしい体験でした」

 現在は卒業論文の執筆を進めており、卒業後はドイツの大学院で研究を続ける予定だそうです。

日本滞在で感じた“小さな壁”

 充実した研究生活を送ったガブリエレさんですが、日本滞在中に言葉の問題を感じる場面もあったといいます。教授陣とのコミュニケーションは全く問題なかったものの、研究施設の現場ではうまくいかないと感じる場面もあったといいます。

「教授たちはみんな英語を話していたので、まったく問題なくコミュニケーションが取れました。ただ、技術スタッフは英語を話さない人が多く、少し難しさを感じました」

 それでも研究活動に支障が出るほどではなく、なんとか意思疎通を図ることができたようです。そんなガブリエレさんは、帰国日に予期せぬトラブルに見舞われました。なんと、空港へ向かうための鉄道が突然止まってしまい、飛行機に乗り遅れるかもしれないという事態に。

 焦ったガブリエレさんは、急いでタクシーを探しました。しかし、そこで今度は別の問題に直面することになります。

「タクシーの運転手とやりとりを試みましたが、携帯電話の翻訳アプリを使っても意思疎通が難しく、言語というよりも世代の違いによる壁を感じました」

 翻訳アプリという便利なツールがあっても、それを使いこなし、お互いに理解するというハードルがあったようです。デジタル機器に不慣れな世代との間には、言語以上の隔たりがあることを実感した瞬間でした。

 ハプニングも含めて、すべてが貴重な思い出となったガブリエレさん。言語の課題を抱えながらも、それを補って余りある日本の魅力を発見した1か月間は、人生において忘れられない時間となったようです。

(Hint-Pot編集部)