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「不衛生でしょ!」 アメリカ人が激怒 日本のトイレの“ありがたさ”を痛感した瞬間とは

公開日:  /  更新日:

著者:Yo

アメリカのホームステイ先のトイレ【写真:Yo】
アメリカのホームステイ先のトイレ【写真:Yo】

 清潔で使い心地がいいことで知られる日本のトイレ。温水洗浄便座や自動開閉などの便利な機能がそろい、外国人が驚くことも少なくありません。日本が世界に誇る技術のひとつですが、海外で暮らす日本人の中には、その違いに戸惑う場面もあるようです。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、現地の生活事情などを綴るこの連載。第15回は、トイレの習慣の違いで起きた出来事を紹介します。

 ◇ ◇ ◇

トイレットペーパーの処理方法に違いが

 日本では、使用したトイレットペーパーを便器に流すことが一般的です。アメリカでも基本的には同じですが、住宅の築年数や配管の状態などによっては、詰まりを避けるため、ゴミ箱に捨てる家庭もあります。

 筆者がロサンゼルスで最初に住んだホームステイ先では、使用したトイレットペーパーをゴミ箱に捨てていました。1週間に1度、家族の誰かがゴミ箱内のビニールをまとめ、収集日に出すのです。筆者は東南アジアや南米で同様の習慣を経験しましたが、即座に流せる日本と比べると、やはり抵抗があります。

 2件目のホームステイ先でも、トイレの水は勢い良く流れません。便器の横にゴミ箱があったため、同じ習慣だと思って使っていました。しかし、生活を始めてから1週間が経った頃、ホストマザーから注意を受けたのです。

「なんで流さないの!? ゴミ箱を使うなんてあり得ない! 不衛生じゃないの!」と、ママの怒りは収まりません。水流が弱いため流れにくいことを伝えても、「普通に流れるわよ。だって紙は2枚重ねれば十分でしょ。それ以上は必要ない。明日からはそうしてね」と告げられました。

改めて日本のトイレの素晴らしさを実感

 アメリカでも、空港やスーパーマーケットなどの公共のトイレは、しっかり水が流れる設備を整えていることがほとんどです。ただ、筆者が暮らしている家庭では、トイレットペーパーの量を控えても、1回ではきれいに流れません。

 翌日、1件目のホームステイ先ではゴミ箱に捨てていたことを、ママに説明。「え? それはないわ。その家が特別なはず」と首をかしげていました。

 日本のトイレは、節水に配慮しながらもしっかり流れる構造が研究されており、使い心地や利便性の面では、世界でも高い水準といえるでしょう。慣れてしまうと気づきにくいですが、日常に埋もれがちな便利さは、海外で生活して初めて実感するものかもしれません。

(Yo)

Yo(ヨウ)

新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。