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「日本がナンバー1じゃない?」 ゴミが散乱し治安も良くないアメリカのバス停 フランス人が感じた日米の決定的な差とは
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日本の公共交通機関は、時間に正確で車両が清潔なことなどが、世界的にも高く評価されています。こうした環境が整っているからこそ、乗客は安心して利用できるのでしょう。しかし海外では、これが当たり前とは限りません。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに暮らすYoさんが、現地の実情を綴るこの連載。第18回は、アメリカのバス停について紹介します。
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バス停にゴミが散乱する理由
ある日、ロサンゼルス市内でバスを待っていると、真後ろに人の気配を感じました。市内では、信号待ちなどのわずかな時間に危害を加えられることも珍しくなく、こうした場面に遭遇すると身構えてしまいます。筆者はバスを待つ間、彼から15メートルほど距離を取りました。
しばらくすると、彼はゴミ箱を物色し始め、残飯や生活に使えるものを探しているようでした。路上はゴミだらけ。散らかったゴミのすべてが彼の責任ではないですが、市内には悪臭漂うバス停が多いです。長時間、ここで待ちたくはありませんが、なかなかバスが来ません。
運行時間に正確な日本なら、バス停に時刻表があり、場所によっては「到着まで約○分」といったデジタル案内があって、目安がわかります。到着時刻に合わせてその場を離れても安心でき、バス停にいる時間も短縮できるでしょう。しかし、ロサンゼルスでは勝手が異なります。
アプリでバスの現在地を把握できるものの、時間通りに進みません。到着の目安がわからず、バス停から離れづらいのです。本数が多い朝と夕方は問題ないのですが、夜間は30分以上の間隔があります。そのうえ、20分ほどの遅延も珍しくありません。
異臭が漂い、治安も良くないことを考えると、バス停から少し離れた明るい場所で待つか、高い料金を払ってタクシーに乗るという選択になります。「正確・きれい・安全」がそろった日本とは大違いです。
フランス人が感じた日米の違い
訪日経験があるフランス人の友人は、京都でバスを利用したことがあるそうです。第三者の目線で、日米の違いを教えてくれました。
「日本は街自体がきれいだし、バスや電車の車内も静かだね。みんな、おとなしく黙って座っているのは驚いた。音楽を流している人もいない。アメリカは……(笑)。全然、違うよね。フランスも安全とはいえないけど、アメリカは臭いが気になるし、気分が悪くなる。そういう意味では、日本がナンバー1じゃない?」
街の清潔さや治安の良さが相まって、公共交通を快適に利用できる環境が整っている日本。駅やバス停の丁寧な案内表示や、急なトラブルにも素早く対応する体制など、利用者を安心させるための工夫が細部にまで行き渡っています。実際に海外での暮らしを体験したからこそ、日本の当たり前がとてもありがたく感じました。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
