スーパーで店員を助けただけなのに、彼女のひと言に思わず固まった――日常のなにげない出来事から、恋人との価値観のずれに気づいたという投稿が、X（ツイッター）で大きな反響を呼んでいます。投稿者のきらのどん（@tatosori）さんに詳しいお話を伺いました。

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重いビールケースを運ぶ店員さんに手を差し伸べたら…

　今から約10年前、投稿者さんは当時交際して半年ほどの彼女との価値観の違いを実感する出来事がありました。彼女とスーパーマーケットで買い物をしていたときのこと。レジにビールケースを持っていくと、女性店員さんが「少々お待ちください」と言い残して、どこかへ走っていきました。

　少し待つと、別のビールケースを重そうに抱えて戻ってくる店員さんの姿が。どうやら角に凹みがあることに気づき、わざわざ交換してくれたようです。投稿者さんは思わず「だ、大丈夫ですか？」と声をかけ、運ぶのを手伝ったといいます。しかし、その様子を見ていた彼女から意外な言葉をかけられました。

「なんで手伝うの？」「店員だよ？」

　思わぬ反応に投稿者さんは戸惑い、自分のために交換してくれたケースだから……と説明しましたが、彼女にはピンと来なかった様子。「仕事なんだから」「私たちはお客さんだし」と続けたといいます。

「結局、この件が理由ではないんだけれど、その人とは別れた。でも今でも覚えているくらい、価値観の違いをすごく感じたな」と、投稿で当時をそう振り返っています。

　投稿は2つに分かれており、合計で8万件もの“いいね”を集めました。リプライ（返信）には、「すごく大切な価値観だと思いました」「手伝ってくれる男のほうがかっこいいやん、と私は思うけれどなー」「やきもちを妬いちゃったのかな　でも……手伝う……よねぇ」など投稿者さんに共感する声が上がりました。

　一方で、彼女の考えにも一理あるという意見も。「個人的には、手伝ってあげたいのは山々ですが、荷物に何かあったときに責任の所在が曖昧になるので、手伝わないほうが良いと思います」「彼女さんも間違っているとは言いきれない」という声も寄せられています。

「人と人同士なので、そこまでドライになれない」

　彼女の発言を受けたとき、投稿者さんは驚きを通り越し、少し怖ささえ感じたといいます。そして、考え方の違いに強く戸惑いを感じました。

「『嫉妬では？』というコメントも多かったですが、彼女の反応は嫉妬というより『疑問』『なぜ』という印象だった覚えがあります。彼女は『店員は仕事としてやっているのだから、やる必要がない』と話していたので、立場と役割に固執した考えなんだなと思いました。私は立場と役割が異なれど、人と人同士なので、そこまでドライになれないと思いました」

　また、破局の背景には、出来事そのものよりも「その後の受け止め方の変化」があったようです。

「彼女の言動を素直に受け取れなくなったところはあると思います。根底に『考え方や価値観がこの人とは違うのかも』という気持ちがあったのかもしれません」

価値観の違いは「許容できる範囲」かどうかが重要

　その後、別の女性と結婚した投稿者さんは、現在4人家族で生活をしています。配偶者さんとは、価値観の共有で大切にしていることがあるそうです。

「金銭感覚と育児、他人への礼儀みたいなところは共有していますね。もちろん妻とは同じ人間ではないので価値観の違いは多少あります。それが許容できる範囲なのかが、重要ですよね」

　日常の些細な場面で垣間見える価値観の違い。それをどうとらえ、どこまで歩み寄れるかが、長く続く関係を育てる鍵なのかもしれません。

（Hint-Pot編集部）