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「無償で譲ってくれました」 ブルガリア人が感動 今も家にある日本人がくれた“贈り物”とは
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誠実で優しい日本人。その姿勢は、世界から称賛を集めています。実際にその光景を目の当たりにして、感激する外国人も少なくありません。アメリカで暮らすブルガリア出身の女性も、日本人との心温まる思い出を、今も大切にしているといいます。いったい、どんなことがあったのでしょうか。
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研究者の夫と過ごした、日本での6年間
画家として活動している、ブルガリア出身のシルビア・ヴァシレヴァさん。現在はアメリカのサンディエゴで暮らしていますが、研究者である夫の仕事の関係で、1990年から1996年まで日本に住んでいたことがあります。
最初の2年間は大阪で生活。その後、東京、仙台へと移り、合わせて6年間を過ごしました。異国の地での暮らしは、新鮮な発見と同時に、慣れない環境での戸惑いもあったといいます。
しかし、日本で生活するなかで出会った人々との交流は、シルビアさんにとってかけがえのない財産になりました。それはアメリカに戻ったあとも、シルビアさんの大きな助けになっているといいます。
娘のためにと譲ってくれた大切なもの
アメリカでも、日本人との交流があったというシルビアさん。その友人から、素敵な贈り物を受け取ったことを明かします。
「このピアノは、私の娘がピアノを習いたがっていたとき、友人が日本へ帰国する際に『持って帰れない』と言って、くれたものなんです」
帰国を控えた日本人の友人は、大切にしていたピアノを誰かに譲りたいと考えていました。当初、その友人は日本人に譲ることを希望していたそうですが、シルビアさんの状況を知り、考えを変えたといいます。
「日本人ではなくても、日本に住んでいたことや日本との親睦の深さ、娘が日本語をネイティブスピーカーのように話せることもあり、無償で譲ってくれました」
ピアノを習いたいという娘の願い。それを叶えるため、大切な楽器を譲ってくれた友人の心遣いに、シルビアさんは深く感動したそうです。「本当に日本人は親切です」と、当時のことを振り返ります。
相手の背景や状況を理解し、思いやりを持って接してくれた友人。シルビアさんが受け取ったのはピアノだけではなく、日本人が持つ温かい心でした。
(Hint-Pot編集部)
