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「もしもの際に役立てていただければ…」 大規模災害を経て変化した“発信する意味” フォロワーが1年で5000人→10万人超に急増した自衛隊東京地方協力本部のSNS戦略とは
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「自衛隊ならこうします!」──2024年4月、このひと言とともに投稿された動画が、インスタグラムで2.2万件の“いいね”を集めました。同年7月には「自衛隊のメイクアップ術」という意外性満載の投稿が、6.4万“いいね”の反響を記録しています。その後も“万バズ”を連発する、自衛隊東京地方協力本部のアカウント。迷彩柄の作業服姿の隊員たちが、災害時に使えるライフハックを軽妙な語り口で紹介したり、インターネットミームを取り入れたりする姿は、いずれも従来の自衛隊のイメージを覆す親しみやすさです。インスタグラムのフォロワーは、わずか1年で5000人から10万人超に急増したといいます。その背景にある工夫を、広報担当の池田竜也さんに伺いました。
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なぜSNS広報に注力? 制作は少数精鋭で実施
自衛隊と聞くと、国を守るために日夜厳しい訓練や任務に従事し、質実剛健な姿をイメージする人が多いかもしれません。しかし、自衛隊東京地方協力本部が投稿するコンテンツは、どれも親しみやすさにあふれています。なぜ、こうしたコンテンツを発信しているのでしょうか。
「世間一般に持たれている『自衛隊=怖い・堅い』というイメージを覆したくて、このようなコンテンツや演出をしています。自衛官だって普通の人間です! おもしろいときは笑うし、悲しければ泣きます。みなさまに我々自衛隊を身近に感じていただきたく、親しみやすいコンテンツ作りを心がけています」
これまで、インスタグラムに投稿されたコンテンツは1000件超。なかでも、災害時に役立つ知識を、自衛隊ならではの視点で伝えるライフハックは、大きな反響を呼んでいます。昨年の同時期には5000人ほどだったフォロワーが、この1年で10万人に到達しました。“万バズ”が日常になりつつある一方、その制作体制は驚くほどコンパクトです。
「リサーチ、企画、撮影、編集は基本的に1名で行います。演出や配信してからの分析などでは、チームとして3名で活動しています。日々、SNS上のトレンドをリサーチしつつ『これ、私たちでも表現できるかも!』というコンテンツを集め、1週間に1回または2週間に1回、4~5本まとめて撮影します。編集後、上司の確認を経て投稿という流れです」
池田さんをはじめ、広報の担当者さんは、日常的に複数のSNSを巡回しているそう。「トレンドはものすごいスピードで変わっていきますので、それに乗り続けられるように必死です」と笑います。その素早い対応ぶりには、日々の任務や訓練で培った状況判断能力が、思いがけない形で生かされているのかもしれません。
