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「クマがいたと騒ぐのは非常識」 登山者がクマ報道に覚える“違和感” 山へ行く人のリアルな思いとは
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今年は連日続いたクマ報道に恐怖を感じた人も多いのではないでしょうか。しかし、実際に山を歩く登山者たちの意識はまったく違っているようです。株式会社ヤマップが全国の登山者1415人を対象に実施した調査で、9割以上が「人間がクマの生息域にお邪魔している意識を持つべき」と回答。山を知る人々の“リアルな声”から、私たちが見落としている視点が浮かび上がってきました。
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登山者の92.8%が「山では人間がお邪魔している」と回答
株式会社ヤマップは2025年11月18日~25日、全国の登山者1415名を対象に「クマに関する登山者意識調査」を実施しました。
最も注目すべき結果は、「山はクマの生息域であり、登山者はお邪魔している意識を持つべきか」という質問に対して、92.8%が「そう思う」と回答したことです。とくに「とてもそう思う」と強く実感している層は、「北海道・東北」地域の登山者や、登山歴の長いベテラン、さらに実際にクマと遭遇した経験がある人ほど高い傾向を示しました。
実際にクマを目撃した経験がある登山者は29.4%。約3人に1人がクマと遭遇しているにもかかわらず、山に入り続けています。さらに、クマ以外の野生動物(サルやイノシシなど)との遭遇経験者は93.2%に達しており、登山者にとって野生動物は「いて当たり前」の存在になっていることがわかりました。
「駆除」か「保護」か、ではなく「両方必要」が最多
クマ対策についての考え方も興味深い結果が出ています。「人間の安全のための管理(駆除等)」と「共存のための環境づくり(保全)」のどちらを支持するかという質問に対し、「両方必要」と答えた人が43.1%で最多となりました。
現場を知る登山者たちは、極端な二者択一ではなく、現実的なバランスを求めていることがわかります。
登山頻度の変化を見ると、全体では約6割が「変わっていない」と回答。しかし地域差は顕著で、九州・沖縄では93.7%が変わっていないのに対し、北海道・東北では48.3%にとどまりました。クマの出没状況による影響が如実に表れています。
「登山に来たくせにクマがいたと騒ぐのは非常識」 登山者たちの本音
調査では、登山者たちから率直な意見が寄せられました。静岡県の登山歴11~20年のベテランは「本来の山は自然界であり、そこに人間が登山道をつけてお邪魔させてもらっている感覚は常に忘れないようにしている」とコメント。
東京都の登山歴1~2年の初心者からは、「登山に来たくせに、クマがいたと騒ぐ昨今に疑問を覚えます。山は野生動物の住処であり、彼らのものであると思うからです。街中に降りて人を襲うクマとは訳が違うので同じように騒ぎ立てること自体、非常識かと思います」と辛らつな意見が出ています。
「街に出没するクマ」と「山にいるクマ」を同じ視点で語ることはできません。しかし、市街地での被害を伝える報道が続くなか、山でクマが確認されること自体にも同じ緊張感が向けられがちです。山を知る登山者たちは、そこが本来、誰の暮らしの場なのかを冷静に見つめているようです。
(Hint-Pot編集部)
