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カルチャー

「王様みたいに振る舞う日本人男性を…」 ブルガリア人が受けたカルチャーショック 1990年代の日本の家庭のあり方とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ブルガリア出身のシルビア・ヴァレシヴァさん【写真:Hint-Pot編集部】
ブルガリア出身のシルビア・ヴァレシヴァさん【写真:Hint-Pot編集部】

 夫婦の役割分担や、家事への向き合い方は、国や文化によって大きく異なるものです。1990年代に日本で6年間暮らしたブルガリア人女性は、日本人女性の生活ぶりを見て、あまりの文化の違いに思わず質問をした経験があるそうです。いったい、何に驚いたのでしょうか。

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モデルの娘とともに日本各地を旅した6年間

 ブルガリア出身のシルビア・ヴァシレヴァさん。現在はアメリカ在住ですが、1990年から1996年まで日本で暮らしていました。夫の仕事の都合での滞在でしたが、日本での生活には、特別な思い出があるといいます。

「私の娘は、2歳から7歳まで、子ども服ブランドのカタログでイメージモデルを務めていました」

 娘がモデルとして活躍していたおかげで、シルビアさんは日本各地を旅行することができたそうです。日本の文化や風景に触れる機会に恵まれた6年間でした。

夫のために尽くす近所の女性

 日本での充実した生活の中で、シルビアさんには驚いたことがありました。「日本で暮らしていて、王様みたいに振る舞う日本人男性を見かけることがありました」と語ります。

 シルビアさんには、近所に住んでいて、よく交流する日本人女性がいたそうです。女性は子どもが生まれたばかり。それでも、ときどきシルビアさんの家に遊びに来て、夕方には帰宅していました。

「彼女は『夫の夕食を作らなきゃいけないから』って、午後5時には帰宅するんです。またある日は、午後4時には帰宅して、子どもの世話をして、それから夜の10時頃に夫の夜食を作ると言っていました。夜遅くまで起きて、食事の準備をしているみたいで」

 夫が帰宅する時間に合わせて夕食を用意し、さらに夜遅くまで起きて夜食の準備をする。そんな生活を続ける女性に、シルビアさんは思わず尋ねました。

「私が『どうしてそんなに尽くすの?』って聞いたら、『そうしないと、家族の生活が成り立たないから』と言われました」

時代とともに変わる日本の家庭

 シルビアさんが見た光景は、1990年代にみられた、日本の家庭のひとつの姿です。当時は夫が仕事、妻が家事と育児という役割分担が一般的で、妻が夫の帰宅時間に合わせて生活することも珍しくありませんでした。

 しかし、それから約30年が経ち、日本の家庭のあり方も大きく変わってきています。共働き家庭が増え、家事や育児を夫婦で分担することが当たり前になりつつあります。

 シルビアさんが見た1990年代の日本の家庭像は、時代とともに変化を遂げています。

(Hint-Pot編集部)