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「夫や友人に渡されたメニューの値段が違っていた」 外国人夫と行った日本の飲食店での気まずい体験 ハワイに学ぶ「二重価格」のあり方

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

ダイヤモンド・ヘッド駐車場入口に「ハワイの地元民は駐車無料。それ以外は10ドル」と書かれている【写真:i-know】
ダイヤモンド・ヘッド駐車場入口に「ハワイの地元民は駐車無料。それ以外は10ドル」と書かれている【写真:i-know】

 昨今、オーバーツーリズムの影響により、外国人価格を設定する観光地や飲食店が少しずつ増えてきた日本。2人の子どもをハワイで育てる主婦ライターのi-know(いのう)さんは、ハワイ、そしてアメリカでは“地元民割引”が当たり前だといいます。第70回は「ハワイの“地元民割引”」です。

 ◇ ◇ ◇

日本でも議論広がる二重価格

 日本政府観光局(JNTO)の発表によると昨年、日本を訪れた外国人観光客の数は3600万人を超え、過去最高を記録しました。さらに、2025年上半期の訪日外客数から予測すると、年間で昨年の記録を更新する見込みです。

 そういったなか、地元で暮らす方々を中心に「観光地に外国人観光客が多すぎる」「日本のルールを守らない外国人が多い」といった意見が出るようになり、オーバーツーリズム対策の一環として「外国人価格=二重価格」の導入を求める声が上がっているとか。

 これには賛否両論あるようですが、私が暮らしているハワイではどんな対策が取られているか、ご紹介したいと思います。

ハワイの観光事情と“地元民割引”

 2024年、ハワイには年間で約970万人の観光客が訪れました(注:アメリカ本土からの観光客も含まれるので、外国人観光客というくくりではありません)。

 日本に比べて少ないと思われるかもしれませんが、ハワイの面積は四国の6割程度。そんな小さな島に年間約970万人が訪れると考えると、オーバーツーリズムといえますし、日本同様、有名な観光地付近に住んでいる地元民が苦情を寄せることもあります。

 そこでハワイでは、オーバーツーリズム対策として“地元民割引”を採用しています。正式にはハワイ語で「土地の人」を意味する「カマアイナ割引」と呼ばれていて、観光客に人気のホノルル動物園やワイキキ水族館、ゴルフ場など、多くの施設で割引を受けることができます。

 ハワイのシンボル的存在、ダイヤモンド・ヘッドでは、観光客に入場料5ドル(約730円)と駐車料金10ドル(約1460円)の支払いを求めていますが、なんと地元民は無料! しかも、自然保護の観点から人数制限を設けているので、観光客のみ公式サイトでの予約が必要になります。

 さらに、ホテル料金にも“地元民割引”が適用されるので、週末や春休みにステイケーションを楽しんでいるファミリーも少なくありません。