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「面倒くさい」のひと言で終わらせないために 実家帰省での夫婦のすれ違い 解決するには

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

お風呂の事情を伝えても「できるだけ長く浸かりたい」という夫(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
お風呂の事情を伝えても「できるだけ長く浸かりたい」という夫(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

“帰省ブルー”の原因として挙げられるもののひとつに「入浴」があります。家族だけなら、いつ入浴しようが気にならないものですが、兄弟姉妹や親戚が集まるとなると、潔癖傾向になくとも、いつ・誰のあとに入るかが問題になります。そんな難問に、毎回悩まされているという女性のお話をご紹介。夫婦カウンセラーにアドバイスもお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

総勢15人、入浴時間は1人15分!?

「昨年、全員がお風呂を終えたのは深夜1時でした」

 そう話すのは、関東在住の安部久美子さん(仮名・40代)。結婚以来13年間、年末は義実家で過ごし、元日は自分の実家へ移動して、5日まで泊まるという帰省スタイルを続けています。

 久美子さんが頭を悩ませているのは、実家での“お風呂問題”。同時期に兄家族5人、姉家族4人、久美子さんの家族3人が集まり、両親と未婚の妹を加えると総勢15人になります。全員が夕方から順番に入浴するため、毎年、深夜までかかってしまうのです。

「午後5時頃から父と母が入り、そのあと小さい子どもがいる姉家族が続きます。途中でお湯を入れ替えることもあるので、ゆっくり入っていると本当に終わらないんです。昨年は、テレビを観たいだのなんだのでモタモタして、最後に私たちが入れたのは深夜1時すぎでした」

 しかも、最後はいつも、久美子さんの未婚の妹が浴室の掃除を担当しています。

「『午後10時過ぎには部屋でゆっくりしたいから、子どもと一緒に入って時短して』って言われて……。気持ちはわかるんですけど、正直、私だってのんびり湯船に浸かりたいです」

 5時間ほどで15人が入る計算になると、1人あたりの持ち時間は10~15分程度。久美子さんの子どもは男の子で、来年は小学6年生。性教育の授業も始まり、そろそろ一緒に入るのが難しくなってきました。

 そこで久美子さんは、息子と一緒に入浴してほしいと夫に頼みました。

「『あなたが息子と一緒に入って』と言ったら、『面倒くさい』のひと言。頭も体も自分で洗えるから、手間はかからないと伝えても『俺は、お風呂ではできるだけ長く浸かりたい』って……。それ、私も同じなんですけどね」

 家事は手伝っているものの、“お風呂問題”にはまったく協力しない夫。

「いっそのこと、夫と息子には義実家で待機してもらって、私だけが実家に帰る“セパレート帰省”にしてもいいのか、真剣に悩んでいます」

具体的に何がつらいのかを伝えて

 久美子さんの悩みについて、原嶋さんは「人数の問題ではなく、夫婦の役割分担が崩れていることが本質」と話します。

「久美子さんは、実家の都合も、妹さんの負担も、息子さんの成長も、すべてひとりで引き受けています。その一方で、夫は『自分はゆっくり浸かりたい』という希望だけを通していますよね。この構図が続く限り、帰省は休みではなく“業務”になります」

 原嶋さんは、人数を減らす前に、まず夫婦の中で「何を誰が引き受けるのか」を整理する必要があると指摘します。

「『面倒くさい』と言われたら、そこで終わらせず『私は、実家では毎年お風呂のことで一番しんどい思いをしている。あなたが息子と一緒に入ってくれたら、本当に助かる』と、具体的に何がつらいのかを伝えてみましょう」

 そのうえで、どうしても調整がつかない場合は日程をずらす、“セパレート帰省”にするなど、具体的な選択肢を夫婦の合意として決めること。

「久美子さんがひとりで抱え込まなくていい形を、夫と一緒に作り直すことが、一番の近道です」

(和栗 恵)