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「餅をのどに詰まらせる事故」を防ぐには? 一緒に食べると良い「意外な食品」とやってはいけないこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

これから食べる機会が増える餅(写真はイメージ)【写真:写真AC】
これから食べる機会が増える餅(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お正月は、餅を食べる機会が増えるでしょう。気をつけたいのは、のどに詰まらせる事故です。東京消防庁によると、管轄内では毎年12月から1月にかけて餅(団子なども含む)による窒息事故が多く、約9割以上が65歳以上の高齢者だといいます。食べる際、のどに詰まらせない工夫はあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

なぜ餅はのどに詰まりやすい?

 餅とは、一般的に蒸したもち米をついたもの。日本では古くから食べられてきましたが、ほかの食品に比べて粘り気が強く、噛み切りにくいのが特徴です。ベタベタしていて気道に張りつきやすいので、万が一のどに詰まらせると、自力で取り除きにくいリスクがあります。

 のどに詰まる要因として考えられるのは、よく噛まない、噛めない、唾液が少ない・出にくい、飲み込む力が弱い、咳反射が弱いなどです。とくに、高齢者や子どもが餅を食べる際は気をつけたいところです。

餅を食べる際の3つの工夫

 餅をのどに詰まらせにくくする食べ方のポイント3つを紹介します。

○汁を先に飲んでから食べる
 唾液が少ない状態で餅を食べると、のどに詰まらせるリスクが高まります。食べる際は、先にお吸い物やみそ汁などをひとくち飲んでのどを潤すと、飲み込みやすくなるでしょう。

○小さく切ってから食べる
 大きいまま口に入れると、よく噛まずにそのまま飲み込み、詰まってしまうおそれがあります。とくに高齢者や子どもには、ひとくちサイズに切った餅を用意すると良いでしょう。焼く前の餅は硬くて切りにくいので、電子レンジで加熱し、ほんの少しやわらかくしてから包丁で切ってください。形は少し崩れますが、ひとくちサイズにしやすくなります。

○大根やカブのおろしを絡める
 餅の表面がべたついていると、気道に張りつきやすくなります。餅に大根やカブのおろしを絡めると、表面の粘りが和らぐのでおすすめです。また、おろしに含まれる水分は、のどを潤すのに役立ちます。でんぷん消化酵素のアミラーゼも豊富に含まれていますよ。

餅を食べる際にやってはいけないこと

 餅をおいしく安全に食べるためには、「大量の餅を口の中に入れない」「酔ったら食べない」ことです。

 急いで食べようとして口の中に餅をいっぱいに入れると、噛むスペースがなくなってそのまま飲み込んでしまい、のどに詰まる危険性が高まります。少量ずつよく噛んで、慌てずゆっくり食べてください。

 また、年末年始はお酒を飲む機会が増えますが、酔った状態で餅を食べるのは控えましょう。お酒を飲むことによって注意力や集中力が低下し、噛まずに飲み込み、詰まってしまうことも考えられます。

 餅は、日本の食文化として古来親しまれてきた食品ですが、食べ方で重大な事故につながることもあります。安全においしく楽しむ工夫を意識して、良い年末年始を過ごしましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾