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カビ部分だけ削れば食べても平気? お正月の余った餅 栄養士が警告する危険なリスク
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教えてくれた人:和漢 歩実

お正月に余った餅を食べようとしたところ、カビが生えていたという経験があるかもしれません。カビ部分を削り取ることができたら、食べても問題ないように感じますが、実際はどうなのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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目には見えないカビが全体に繁殖していることも
カビが生えた餅は、食べないでください。実は、カビは目に見えている部分はほんのわずかで、目に見えない部分が多いのが特徴です。
カビ部分を削り取ったり水洗いしたりすれば、ほかの部分を食べられるといわれることがありますが、おすすめしません。カビは表面だけでなく、すでに内部にまで根っこを張っていて、目視できなくても全体にカビが繁殖している可能性があるためです。
また、「餅は加熱して食べるから大丈夫」と感じる人もいるかもしれませんが、カビには熱に強いものや、調理した程度では死滅しないものが。なかには毒素を発生させるものもあり、食べてしまうと健康被害のリスクがあります。
カビが生えたということは、その食品を安全に食べられる期間が過ぎてしまったことを指します。もったいないですが、食べずに廃棄しましょう。
市販の切り餅も、開封後は早めに使い切ろう
餅はでんぷん(糖質)が主成分で、作る過程で水を使います。カビの好物の「栄養分」と「水分」があるので、カビが生えやすい食品です。餅の表面に緑や黒、赤、青っぽい色の斑点があったら、それらはカビだと思ってほぼ間違いありません。ふわふわした白い点々も、カビの可能性が高いです。
今は真空包装により、市販の餅の長期間保存が可能になりました。切り餅なら、ひと切れずつ脱酸素剤入りの個包装になって、大きめの外袋に入っている商品が一般的です。とはいえ、外袋を開封後、個包装で長期保存するのは、傷むリスクが高まります。個包装であっても、保存が長期になると、なんらかの衝撃や摩擦で個包装が損傷し、針穴ほどの大きさでも通気して、未開封でもカビが発生してしまうことがあります。
そもそも、表示されている賞味期限は、外袋未開封の状態が前提で設定されています。外袋を開封したら、冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵保存するときは、密封できるジッパー付き保存袋などを活用し、なるべく空気に触れないような状態を心がけてください。
市販のものではなく、手作りのものや餅専門店で入手したつきたての餅は手や空気に触れることが多く、カビが発生しやすいので注意しましょう。
数日間の保存ならば、空気に触れさせないようにラップでぴっちりと包み、密封袋に入れて冷蔵庫へ。より長く保存したいなら、冷凍保存もできます。1か月くらいを目安に食べ切りましょう。
お正月の縁起物の餅ですが、カビらしきものを見たら、残念ですが食べないでください。食品ロスをしないよう、おいしいうちに、早めに食べ切るのがおすすめです。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
