ライフスタイル
「泊まっていないのに払うの?」 ホテルのキャンセル料に対する疑問 弁護士が回答
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:坂本 尚志

成人式や受験、春休みの旅行、出張などで、ホテルを利用する人も多い時期です。しかし、体調不良や急な予定変更などにより、やむを得ず直前でキャンセルしなければならなくなり、「泊まっていないのに、なぜ支払うの?」「高すぎる気がするけれど、拒否できないの?」と、キャンセル料に疑問を感じることもあるかもしれません。そこで今回は、ホテルのキャンセル料トラブルについて、弁護士の坂本尚志先生に話を聞きました。
◇ ◇ ◇
子ども体調不良で前日キャンセルに
年末年始に、家族で旅行をする予定でした。少し早めにホテルを予約し、楽しみにしていたのですが、出発前日になって、子どもの体調が急に悪くなってしまいました。
無理をして出かけるのは難しいと判断し、ホテルに連絡してキャンセルを伝えました。すると、「キャンセル料が発生します」と言われたんです。
正直なところ、泊まっていないのに支払うことに抵抗がありました。事情が事情だけに、「それでも支払わなければならないのだろうか」という疑問も残りました。
キャンセル料は、言われるがまま支払わなければならないものなのでしょうか。
予約は「契約」 支払い義務が生じることがあります
こうしたケースについて、弁護士の坂本氏は次のように説明します。
「ホテルの予約は、法律上は契約にあたります。利用者の都合でキャンセルした場合でも、あらかじめ定められたキャンセル規定に基づいて、キャンセル料が発生することがあります」
ポイントになるのは、事前に条件が示されていたかどうかです。
「予約時にキャンセル料の条件が明示されていれば、原則としてその内容は有効です。『泊まっていないから支払わなくて良い』という考え方は、法律上は通りにくいといえます」
では、「高すぎる」と感じた場合はどうなるのでしょうか。
「金額が著しく高額で、社会通念上相当とはいえない場合には、減額になる可能性はあります。ただし、一般的な範囲のキャンセル料であれば、支払い義務が否定されることは多くありません」
トラブルを避けるためにはまず、予約時のキャンセル規定や利用条件を確認することが大切です。連絡を取らずに支払いを拒否した場合、後日トラブルに発展する可能性があるため、誠意をもって対応しましょう。
規約違反の場合、違約金を請求されることも
宿泊トラブルでは、キャンセル料だけでなく、利用規約違反による請求が問題になることもあります。
「たとえば、禁煙ルームで喫煙した場合など、利用条件に違反したときは、特別清掃費や営業上の損害について、違約金や損害賠償を請求される可能性があります」
「少しだけだった」「悪意はなかった」といった事情があっても、規約違反と評価されれば、請求自体が否定されるとは限りません。
ホテルを利用する際には、予約時の条件を、あらためて確認しておくと安心です。
※本記事に記載された事例は、特定の事実関係に基づくものではなく、想定ケースとして構成されたものです。実在の相談・事件・人物等とは一切関係ありません。
(Hint-Pot編集部)
坂本 尚志(さかもと・たかし)
弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/