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カビた部分を取れば大丈夫? 同じ袋の食パンも食べないほうがいい理由 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

食パンを食べようとしたら、いつのまにかカビが生えていた……という経験があるかもしれません。カビが生えた部分を取って焼いたら、食べても問題ないのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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見えているのは一部のカビ
カビが発生したものは「食べない」のが鉄則です。「カビの部分を取れば大丈夫」「少しのカビなら焼けば平気」などと思われやすいのですが、一部にでもカビが発生していたら、食べないでください。
目に見えているカビはほんの一部で、見えない部分がほとんどです。食パンの表面や一部だけではなく、内部まで根を張っていて、全体に繁殖している可能性があります。また、カビの毒は熱で分解されません。「焼いたから平気」というわけではないのです。
袋の中で、カビが生えていた食パンが1枚だけだったとしても、ほかにもカビの胞子が拡散しているリスクがあります。目視でカビが生えていなくても、同じ袋に入っていたパンも食べるのは控えましょう。カビの胞子がほかのものに飛散しないよう、袋を二重にするなどして密封して処分します。
寒い季節こそ食パンのカビに注意
カビというと、高温多湿な梅雨や夏場以外は関係ないように感じますが、寒い時期も注意が必要です。カビは、気温が20度以上あると発生しやすくなります。暖房器具や加湿器を使えば、室内は20度を超え、カビが好む高温多湿の環境といえるでしょう。加えて、暖房器具を使っていないときの室内の温度差で、食パンの袋の中に結露が生じ、カビの原因になります。
食パンは、カビの好物の水分、糖質などの栄養を含みます。カビの発生を防ぐ観点からいうと、2日程度であれば冷蔵室での保存も選択肢のひとつです。それ以上になると、パンに含まれるでんぷんの劣化を促すといわれているので、硬くなっておいしさが損なわれてしまいます。カビ発生を遅らせる一時的な方法として考えてください。
食パンは冷凍保存で新鮮さをキープ
買ってきた食パンをすぐに食べないときは、冷凍することをおすすめします。1枚ずつアルミホイルまたはラップで、空気が入らないようにぴっちりと包みます。食パンを袋から取り出すときは、素手で触らず、トングなどを使うほうが衛生的です。包んだ食パンをまとめてジッパー付きの冷凍用の保存袋に入れ、冷凍室で保存しましょう。
食パンは冷凍しても、焼くと新しいパンのように食感がよみがえるといわれています。トースターで表面をサクッと、中はフワッとした仕上がりにするには、短時間で一気に焼くのがポイントです。パンを入れる前に、あらかじめオーブンやトースターの庫内を温めておきましょう。焼く時間は、常温のパンより少し長めですが、表面がこんがりキツネ色になっていれば焼けた証拠です。
アルミホイルで包んで冷凍保存した場合は、そのままトースターに入れて焼くと、フワフワした仕上がりになるのでおすすめです。
気温が低い今の時期も気をつけたい、食パンのカビ。保存を工夫し、新鮮な風味を味わいたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾