どうぶつ
「拾わないでください」 春の草むらで見かけた野ウサギ 自然の“落とし穴”を呼びかける投稿に反響
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親がいないのは「ひとり立ち」が近いサイン

うさこ母さんがこのような投稿をしたのは、今回が初めてではないといいます。「春の出産シーズンに合わせて、投稿するようにしています。毎年、結構な頻度で連絡や相談を受けます。知らずに『拾ってしまった』という報告がある前に投稿しました」と、経緯について話します。
親とはぐれてしまったようにも見える野ウサギの赤ちゃんですが、草むらに隠されているのには野生ならではの理由があるそう。
「野ウサギの赤ちゃんが草むらに隠れる状態は、生後1か月弱続きます。カイウサギ(アナウサギ)と比べると、かなり早くに巣立ちます。成長が早いことも、天敵から身を守るための術なのでしょう。乳をやめて、草を食べるようになったら、ひとり立ちの時期が近いです。手のひらに乗るほど小さくても、草を食べて自立して生きていける準備は整っているのです」
また、「寒そう」「親が来ていない」と感じて拾ってしまう人が多いそうですが、実際には大きなリスクが伴うといいます。
「野生動物をむやみに拾い飼育することは、ケガしている場合を除き、法律上、禁止されています。また、もし拾ってしまって飼育しようとしても、弱い子ウサギはなかなか育たない場合が多いでしょう。病気を持っている可能性もあり、受け入れてくれる動物病院も多くはありません」
もし農作業中などに、どうしても移動させる必要がある場合については、「たとえどんな状態であろうとも、野生のものには、手を出さないことが鉄則かと思います。しかし、畑などで、農機具を使っているときに野ウサギの赤ちゃんを発見することもあるでしょう。巣立つまで見守るか、そっと近くの茂みに移してやるなど、対応していただけたらと思います。そのときは直接触れず、タオルや手袋などを使用すると良いかと思います」と説明しています。
ウサギからの愛情が人生を変えた
うさこ母さんがウサギの活動を始めることになったのは、30年前の「うさこ」ちゃんとの出会いがきっかけでした。「うさこ」ちゃんは野ウサギではなく、カイウサギだったそうで、捨てられて行き場がなく、うさこ母さんのところに話がきたといいます。
うさこ母さんが風邪で寝込んでいたときには、うさこちゃんがケージからいつの間にか抜け出して、うさこ母さんの枕元にいたこともあったそう。
「いたずらもせず、うるさくもせず。心配しているようでした。手を伸ばして撫でた、あのときのふわふわあったかい『うさこ』のことを今もはっきり覚えています」
うさこちゃんとは9年もの長い間、一緒に暮らしたといううさこ母さん。こうした経験から、ウサギの魅力を伝えるために、会社を設立してウサギのホテルを開業。現在では高齢ウサギのための訪問介護など、活動の幅を広げています。ホームページ(usako.co.jp)では、ウサギに関する相談も受けつけているといいます。春の草むらで野ウサギの赤ちゃんを見かけたときは、手を触れず、そっと見守る選択をしてください。
○取材協力:うさこ母 うさこんち 老うさホーム(@usako_haha)さん
(Hint-Pot編集部)