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「私はダメな母親かも」 自分を責める前にAIへ相談して大丈夫? 専門家が教える知っておきたい「3つの落とし穴」と質問のコツ
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身近な人に言いづらい子育てのイライラや夫婦間のモヤモヤを、いつでも話せる「AI(人工知能)」に相談する人が増えているようです。便利で心強い一方で、その手軽さの裏には、過信や鵜呑みといった思わぬ落とし穴もあります。企業向けにエグゼクティブコーチを務め、AI顧問としても活動する河畠輝さんに、AI相談のメリットや注意点、賢い使い方などを伺いました。
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AIに悩みを打ち明けやすい理由
子育てや夫婦関係の悩みを人に相談しようとしても、「こんなことで悩む私はダメな母親かも」といった罪悪感が邪魔をして、打ち明けられないことがあるかもしれません。そんなとき、気軽に本音を話せる相手として、AIを頼るケースが増えているといいます。
河畠さんは、AIに相談しやすい最大の理由を「シンプルに、評価(ジャッジ)されないから」と説明します。
「AIは相手の表情を気にしなくて良いですし、時間も選びません。ユーザーの言葉を整理し、否定せずに問い返すように設計されているため、“心理的な安全地帯”として機能しているのは間違いありません」
また、頭の中で絡まった感情を言語化できるのも、AIが相談相手として選ばれる理由のひとつだといいます。たとえば「子どもへの対応に困っている」と感じていても、その背景には親自身の睡眠不足やプレッシャーが隠れていることも。人に言いにくい本音をまずAIに吐き出すことで、自分が何に悩んでいるのかが整理され、本当の気持ちに気づきやすくなるメリットもあるそうです。
AI相談に潜む「3つの落とし穴」
相談相手として便利なAIですが、一方で気をつけるべき点があると、河畠さんは警鐘を鳴らします。「3つの落とし穴」は、次の通りです。
1. AIがすべての事情をわかっていると思ってしまう
AIは「入力された言葉」しか受け取ることができないそうです。しかし、子育てや夫婦関係は、言葉にできない空気感もあります。たとえば性格、最近の変化、家庭内の雰囲気、疲労度、これまでの経緯や関係性など、人間同士なら感じ取れるこれらの要素を、すべてAIに渡すことは現実的にできません。
2. AIのもっともらしい答えを過信してしまう
AIはとても自然に答えてくれるため、つい「これが正解だ」と鵜呑みにしてしまいがちです。しかし、実際には前提がずれていたり、一般論が強すぎたりして、その家庭の事情には合わないこともあります。
3. 人と話す機会を奪ってしまう
AIは手軽に何度でも会話できますが、その心地良さゆえに、本来はパートナーや専門家に話して解決すべきテーマまで「AIの中で完結させてしまう」ことがあります。子育てや夫婦関係は、情報の正しさだけでなく、関係性の中でどう扱うかが重要です。人との関わりの中で生まれるものは、AIでは代替できません。
河畠さんは次のように続けます。
「子どもの体調不良を、AIに相談する人もいるかもしれません。危険なのは『AIの回答を鵜呑みにして、そこで完結させてしまうこと』です。違和感があれば、迷わず医師に相談するなど、最終的な判断と責任は自分自身が持つスタンスが欠かせません」