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アップルウォッチに表示された「おそろしい警告画面」 保育士の過酷な労働環境に同情の声

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

保育士の妻の過酷な労働環境が判明(写真はイメージ)【写真:写真AC】
保育士の妻の過酷な労働環境が判明(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 仕事から帰り、その日の出来事を夫婦で話す貴重な時間。しかし、気持ちに余裕がないと相手の話に耳を傾けられないこともあります。保育士の配偶者から、会話を完全にスルーされてしまったというある男性。何か怒らせることをしたのかと心配していましたが、原因は別にありました。保育士の過酷な労働環境を綴り、ツイッターへ投稿すると大きな話題に。保育士歴10年の配偶者を持つ投稿者のつっきー(@psypsytuki)さんに話を聞きました。

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保育士の妻に異変 会話をスルーされた原因は?

「妻が帰宅して僕のほうから『~っていうことがあってね』と、会話したときのこと。妻が完全に僕の会話をスルーした。“もしかして何か怒ってる……?”と心配しつつ、もう一度声をかけてみると『あっ、ごめん! 何か話してた?』という反応。ここ最近、何度か同じことがあり少し心配になり確認してみると思い当たる節があるらしい」

 日常のワンシーンで、配偶者の異変を感じ取ったというつっきーさん。続く投稿では「“子どもの声”に常に触れる職場環境。実は子どもの泣き声は約60~100デシベルほどあるらしい。これは“電車が通るときのガード下”に相当する音の大きさだ」「ある日の勤務中。子どもたちの泣き声がするなかで休憩中、アップルウォッチに見慣れない通知が。『音量が90デシベルです。このレベルの音に約30分さらされると聴覚が一時的に失われるおそれがあります』というおそろしい警告画面が表示されたらしい」と、保育士である配偶者さんの過酷な労働環境について綴っています。

「保育士は膝や足腰だけじゃなく、聴覚にまで支障をきたす恐れがある仕事と知って驚愕。保育士ってこんなに命がけなんですか……?」という問いかけで結んだ一連の投稿には、多くの人が反応。リプライ(返信)には「日々の労力とともに体にまで影響が……。保育士さんには本当に頭が上がりません」「こんな警告文出るんですね……。それくらい大変なお仕事なんですね」「保育士さん本当にすごすぎです。子どもの声の音量はジェット機のエンジンに匹敵すると聞いたことがあります」など、保育士への感謝と同情の声が多く寄せられています。

投稿には共感の声も 保育士の厳しい現状に懸念

「実は以前、少し“聞こえが悪い”というような話をしたことがあり、そこで『アップルウォッチにこんな通知が来た』という妻のひと言から発覚した内容です。保育士は膝をついて仕事をして痛めたり、腰を悪くしたりする方が多いとよく聞いていましたが、聴覚にまで影響があるとは本当に衝撃でした」とつっきーさん。投稿には、保育士や幼い子の保護者から「わかる」「実は私もそうだったのか」といった共感の声も多く寄せられたそうで、「妻以外にも同様の悩みを抱えている方が多いことにさらに驚きました。また、親御さんからも同じような声があったことは考えさせられますね」と反響について語っています。

 また、つっきーさんは保育現場の現状について大きな懸念を抱えています。

「はっきり言って“過酷”のひと言です。保育所の場合、保育士の配置人数は、0歳児であれば概ね子ども3人につき1人以上、1~2歳児は子ども6人につき1人以上、3歳児は20人につき1人以上、4~5歳児は30人につき1人以上と定められていますが、これは75年近く変わっていないんです。なのに、保育に求められることは増えているのが現状。『異次元の少子化対策』と国は張り切っていますが、そういう“シワ寄せ”がこうした教育や保育に関わる方々に行かないかが非常に心配です」

 さらに、「子どもを安心して預けられる環境には“働く人の余裕”もとても大切。どうか現状をわかってほしいなと感じます」と話しています。

(Hint-Pot編集部)