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「ごはんどうするの?」→イギリス人から返ってきた“まさかの答え”に衝撃 日本人には信じられない夕食の定番とは

公開日:  /  更新日:

著者:斎藤 理子

飽きさせない 豊富なトッピングの楽しみ

 シンプルにバターのみで食べるのが基本形ですが、それが毎日だと客もさすがに飽きるのか、店も商売にならないのかはわかりませんが、ほかにも選べるトッピングがあります。

 バターの代わりにいろいろなチーズやサワークリーム、カリカリベーコン、ベイクドビーンズやチリビーンズなどがあり、店によってはラタトゥイユやコールスロー、ツナマヨ、ピザソースとサラミなどなど、バリエーションが豊富。サンドイッチのように、自分の好みでトッピングを組み合わせることもできます。

 かつてはサンドイッチバーの数と同じくらい、ジャケットポテト専門店がありました。サンドイッチバーで、このジャケットポテトも売っていたので、サンドイッチバーに行きさえすれば、その日の気分でランチに好きなものを選ぶことができました。

 今はデリがサンドイッチバーに取って代わっていますが、ジャケットポテトはデリでも人気メニューです。

 これを買って公園のベンチなどで食べるわけですが、巨大なジャケットポテトを妙齢のスリムな女性でもペロリとたいらげるのが、イギリスのランチタイム風物詩のひとつです。

日本の“おにぎり感覚”に近いイギリスの国民食

フィッシュアンドチップスなど、イギリス料理にジャガイモは欠かせない(写真はイメージ)【写真:写真AC】
フィッシュアンドチップスなど、イギリス料理にジャガイモは欠かせない(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 イギリスのジャガイモはホクホクでおいしく、コロッケなどにしたら最高です。でも、料理をしないイギリス人が、コロッケなどという面倒くさすぎる料理を普通に作るわけはありません。

 油で揚げていないジャケットポテトはヘルシーと信じている人もいますが、あんなに巨大なジャガイモにたっぷりトッピングしたら、カロリーも相当高そうです。

 イギリス人と仕事をしていて遅くなり、夕飯を食べ損ねてお腹はペコペコ。疲れて外食もしたくないときに「ごはんどうするの?」と聞くと、「家でジャガイモでも焼いて食べるわ」という返事があって驚いたことがあります。

 初めて聞いたときには「夕飯がジャガイモ1個か」と、かなりびっくりしましたが、何回かそういう会話を交わしていると「ああ、ジャケットポテトって日本人のおにぎりのようなものなんだ」と腑に落ちたものです。「家でおにぎりかお茶漬けでも食べて寝るわ」といった感じですね。

 カジュアルなレストランのメニューにも、ジャケットポテトはたいていあります。ジャガバターのようでいて、そうではないジャケットポテトは立派なメインディッシュ。ベジタリアンの人にも人気です。

 素晴らしくおいしいイギリスのジャガイモを素直に味わうには、トッピングに凝りすぎない、シンプルなジャケットポテトが一番だと思います。

 イギリスは今もしばしば訪れますが、限られた貴重な時間の中で、ジャケットポテトを食べる暇はありません。でも、日本のベイクドポテトとは味が全然違うので、ときどきほんのちょっとだけ懐かしくなるイギリス料理のひとつです。

(斎藤 理子)

斎藤 理子(さいとう・りこ)

出版社で雑誌編集に携わったあと、イギリス・ロンドンなど海外に長年在住し、世界中をめぐって各地の食文化を体験。帰国後は日本国内外の食材生産者から、ミシュラン三つ星レストランや街角の立ち飲み店まで、幅広い食の現場を取材・執筆している。主な著作に「イギリスを食べつくす」(主婦の友社刊)、「隣人たちのブリティッシュスタイル」(NHK出版刊)がある。また、「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフによる連載記事を編集・監修した「田舎のリストランテ頑張る」(マガジンハウス刊)の編著者でもある。2011年には、イギリス政府観光庁よりメディアアワードを受賞。現在、やまがた特命観光・つや姫大使を務める。