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「バグった」「Wi-Fi来ません」授業中断の連鎖に教員悲鳴 教育現場のデジタル化に一石
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社会全体でAI活用やデジタル化が進むなか、文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」のもと、教育現場でもタブレット端末の普及が広がっています。先生の業務効率化や子どものデジタル学習の推進が期待される一方で、実際の学校現場では思わぬ弊害を指摘する声も……。ネット上では、デジタル教材の利用に一石を投じた教員の投稿が話題を集めています。小学校教員という投稿者の女性に詳しい話を聞きました。
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先生はタブレットの管理係? 生徒への思わぬ影響も…
「教室では毎日、必ず誰かが言う。
『バグった』
『Wi-Fi来ません』
『電源つきません』
『充電できてませんでした』
子どもたちのデジタルSOSは
1時間に1回は必ず発生する」
4月下旬、SNS上で話題を呼んだ、学校のタブレット導入による教員負担を伝えた投稿。投稿者は小学校教員で、社会人の娘と大学生の息子の母でもあるひのりえ@40歳から教員(@hinorie555)さんです。もとは専業主婦でしたが、40歳のときに一念発起して教員資格を取得、教育現場でのリアルな経験や先生たちの本音をSNSで日々発信しています。
現在、小学校では児童1人につき1台のタブレット端末の導入が進んでいます。一連の投稿では「再起動、設定リセット、端末交換、業者への電話……いつから先生はタブレットのメンテナンス担当に?」「本来の授業準備より、タブレットのトラブル対応に時間を取られる日もある」と現場の教員としての本音を吐露。
その上で「読書離れが加速している。タブレットの導入が悪いわけではないが、1ページ読んだら集中が切れ、長文読解で固まる子も増えた」「タブレットは子どもの学びを助ける道具だったはずなのに、先生の時間や、子どもの読解力と集中力を奪いつつある」など、子どもの学習に及ぼす思わぬ影響を綴っています。
投稿は拡散。「やることが多すぎて大変」「デジタル化の課題ですよね…」「電源タップのない教室で一人一端末使うのが間違い」「いつからか先生は何でも屋さんになりつつある」「大学生の娘でさえ新しいパソコンの授業に混乱していました」「先生はコンピューターのプロじゃないのに」といった共感の声が多数寄せられています。
「デジタル学習を行うことや、デジタルを活用して業務効率化を図ったり、コミュニケーションを円滑にしたりする“ICT化”そのものは重要だと思っています。ただ、それを推進するうえでの課題や、現場の声は十分に届いていないのではないでしょうか。ICT専門スタッフを常駐させる・読書の時間を毎日5~10分設けるなど、タブレットが道具として働けるように環境を整えることが必要だと思います」と投稿者。
一連の反響では「先生も大変なんだと分かった」という声も多数寄せられたといい、「先生の苦しさは、なかなか外に伝わりません。こうして少しでも理解してもらえるなら、発信した意味があると感じます」と話しています。
情報化が進む社会を生きる子どもたちにとって、デジタル機器に触れながら学ぶ機会は必要不可欠。一方で、電子機器トラブルによる先生の負担や子どもの集中力や思考力、読解力の低下など、現場での課題は山積みとなっています。教育体制の最適化について、一層の議論が求められています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)