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頭髪検査で“黒染め強要”…「何もしてないのに」理不尽指導に母怒り 「まだやってんのか」共感続々

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

高校での頭髪検査を巡るエピソードに疑問の声が殺到(写真はイメージ)【写真:写真AC】
高校での頭髪検査を巡るエピソードに疑問の声が殺到(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 学校生活の中には、今の時代から見ると首をかしげたくなるようなルールが残っていることも少なくありません。ある母親がSNSに投稿した、高校生の娘の頭髪検査を巡るエピソードが大きな話題を呼んでいます。一度も染めたことのない髪を黒染めするよう指導されたという内容に、ネット上では疑問の声が多数寄せられています。いったい何があったのでしょうか。和歌山県内の高校に通う女子生徒の母親と、管轄の教育委員会に詳しい話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

ヘアカラーをしていないにもかかわらず黒染めを強要する学校の姿勢に疑問

「娘が高校の頭髪検査に引っかかった。
何もしてないのに、、、
ただただ毎日青空の下で部活のテニスをし
普通に学校生活をしているだけなのにー。
納得いかねー!」

 先月下旬、女子生徒の母親がSNS上に投稿したのは、学校の頭髪検査で指導対象になったというの娘の後頭部を写した写真。光の加減もあり、髪の毛はやや茶色っぽく見えるものの、生え際との色の違いはなく、地毛であることがうかがえます。

 この投稿に、ネット上では「まだやってんのか」「ほんとくだらない」「黒染め強要とか昭和かよ」「日本だけでしょこんなことしてるの」「髪染めちゃいけないのに、染めてない人が黒染めするのはいいの? おかしすぎる」「黒染めなんかしたら色落ちで茶色くなってまた染めないとーって悪循環になる」「色んな髪色があって当然だし、個人的には何色に染めようが問題ないと思ってます」「絶対引かないでください! 娘さんのために戦ってください!」など、時代遅れな頭髪検査の在り方を疑問視する声が相次いでいます。

 母親によると、今回頭髪検査の対象となった高校2年生の娘は、ヘアカラーや整髪をしていたわけでなく、毎日部活動のテニスで日差しを浴び、自然に髪が明るくなっていただけ。何もしていないにもかかわらず、黒染めを強要するような学校側の対応に不満の思いを募らせており、「多様性の時代なのにまだ髪色にこだわる学校が存在することに疑問を感じ、皆さんの意見を聞いてみたくて投稿しました。カラーしたわけじゃないのに、紫外線のダメージで自然褐色した髪も許されないのはおかしいと思います」と投稿の意図を説明します。

 母親はその後、一連の対応を教育委員会に報告。あらためて学校側と話し合いを行った結果、夏場は紫外線による自然褐色の可能性もあるとし、次回の頭髪検査の結果を踏まえて地毛申請するか決めることになったそう。母親は「黒染め強制は回避できましたが、まだ頭髪検査はなくならないんだなと思いました。普通に学校生活をしているだけなのに指導されるなんて納得がいきません。多様性の時代、学校側ももう少し柔軟に対応していただけたらなと思います」と話しています。

 女子生徒が通う高校を管轄する教育委員会の担当者は、「Hint-Pot」の取材に「地毛を染めるような指導をしているかは把握しておりませんが、当該高校で定期的に頭髪検査を実施していることは事実です。基本的に、校則を決めるのは学校長の権限。現代の社会通念上問題がないようにという通達や、保護者からのご意見を伝えることはありますが、それ以上のことは生徒総会の場などで意見交換を行った上、最終的には学校長が決定することになります」と説明を寄せます。

 時代とともに、社会の価値観も変化するもの。画一的な頭髪検査は今の時代に合っているのか、今後も議論を呼びそうです。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)