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ツナ缶とサバ缶 栄養士がおすすめするのはどっち? カロリー以外で見るべき違い

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

買い置きもでき、手軽に食べられる缶詰(写真はイメージ)【写真:写真AC】
買い置きもでき、手軽に食べられる缶詰(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 手軽に食べられるツナやサバの缶詰。非常時の備蓄食料として買い置きしている人もいるでしょう。ツナ缶やサバ缶を日常の食事として取り入れる場合、どちらのほうが栄養があり、ダイエット中には適しているのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

どちらも手軽に食べられる良さがある

 ツナ缶やサバ缶の良さは、魚を手軽に食べられることです。魚は、良質なたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどを含む食品ですが、下処理や調理に手間がかかるため、日常的に取り入れにくいと感じる人も多いかもしれません。その点、缶詰であれば開けるだけで食べられ、常温で長期保存もしやすいのが利点です。

 ツナ缶は、キハダマグロやビンナガ(ビンチョウ)マグロなど、原料がマグロのイメージがありますが、カツオを使った、マグロよりも低価格のものもあります。原料によってエネルギーや脂質などに多少の違いはありますが、栄養面で大きな差があるというより、価格や味の好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

 ツナ缶の栄養の特徴としては、良質なたんぱく質をはじめ、質の良い油と言われる不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の魚油、ビタミンDなどを含むことです。DHAやEPAは血液をサラサラにする働きが期待され、血栓や動脈硬化の予防、脳の活性化への効果が注目されている魚の油です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康を保つうえで大切な栄養素です。

 同様にサバ缶も、良質なたんぱく質、DHAやEPA、ビタミンDなどのほか、とくにカルシウムを多く含みます。ツナ缶と比べると、サバ缶のほうが、全体的に栄養価が高い傾向にあるといえるでしょう。

ツナ缶、サバ缶の水煮同士で比較

 実際にどのくらい栄養価に差があるのかを、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の100グラムあたりの数値をもとに、ツナ缶(ライト)の水煮とサバ缶の水煮で比較してみます。

○エネルギー
ツナ缶:70キロカロリー
サバ缶:174キロカロリー

○脂質
ツナ缶:0.7グラム
サバ缶:10.7グラム

○たんぱく質
ツナ缶:16.0グラム
サバ缶:20.9グラム

○ビタミンD
ツナ缶:3.0マイクログラム
サバ缶:11.0マイクログラム

○カルシウム
ツナ缶:5ミリグラム
サバ缶:260ミリグラム

 低カロリーで低脂質のツナ缶のほうが、ダイエット中には適しているイメージがあります。しかし魚の脂質には、前述のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が含まれています。積極的に摂取したいところです。

 また、体の細胞や筋肉作りに必要なたんぱく質は、サバ缶のほうがやや多く、とくに骨を作るのに欠かせないカルシウムは、骨ごと食べられるサバ缶がツナ缶の約52倍多く含まれています。カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多いのが特徴です。

目的に合わせて選ぼう

 したがって、ダイエット中にカロリーを抑えたい場合はツナ缶、たんぱく質や魚油、ビタミンD、カルシウムなどをしっかりとりたい場合はサバ缶が向いています。どちらが良い、悪いではなく、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。

 ただし、ツナ缶は油漬け、サバ缶はみそ煮や味つけタイプを選ぶと、脂質や糖質、エネルギーが高くなります。ダイエット中は、水煮を選ぶ、味つけを控えめにするなど、工夫してみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾