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“災害級の暑さ”には備えが大切 覚えておきたい3つのポイント 今からできることとは 防災士が解説
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日本の夏は近年、「命に関わる暑さ」ともいわれるほど厳しさを増しています。昨年(2025年)の夏は平年より2.36度も平均気温が高く、統計を取り始めた1898年以降で最も暑い夏となりました。最高気温が40度を超える地域も珍しくなくなり、熱中症による救急搬送や死亡者数も増加傾向にあります。私たちは、この暑さにどう向き合えば良いのでしょうか。防災士の資格を持つ筆者が、暑さから身を守るための備えについてまとめました。
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暑さが私たちの生活を脅かす時代が来ている
100年あたり1.4度のペースで上昇しているとされる、日本の平均気温。気温の上昇に伴い、熱中症による救急搬送者数は増加傾向にあり、昨年は10万人を超えて過去最多を記録しました。さらに、厚生労働省の人口動態統計によると、熱中症による死亡者数も増加。2000年には200人程度だったのに対し、2024年には2160人に上っています。
こうした状況を受け、公益財団法人 生協総合研究所は「猛暑は災害である」との見解を示しており、多くの自治体でも猛暑を災害としてとらえ、対策に乗り出しています。
気象庁が今年の4月21日に発表した「向こう3か月の天候の見通し(5~7月)」によると、北日本から西日本、沖縄・奄美地域まで、全国的に気温が例年より「高くなる見込み」とされています。今年も厳しい暑さになる可能性を前提に、早めの対策を意識したいところです。
「自分の身は自分で守る」のが基本
では、災害レベルともいわれる暑さに、私たちはどのように備えれば良いのでしょうか。防災士によると、日常生活の中で意識したいポイントは、大きく3つあります。
1つ目は、家庭内の対策。電気代の高騰もあって家計が気になるところですが、無理な節電によってエアコンの使用を控えることは、熱中症のリスクを高めるおそれがあります。適切に冷房を活用することが重要です。
そのうえで、遮熱カーテンや遮熱フィルムなどを用いて直射日光を遮り、窓周りからの熱の侵入を防ぐと、冷房効率を高めることができます。さらに、停電時に備えて保冷剤や飲料水をストックしておくなど、非常時を想定した準備も意識しておきたいところです。
2つ目は、屋外での対策です。外出時には日傘や帽子を活用し、こまめな水分補給を心がけましょう。
ただし、糖分を多く含む飲料を過剰に摂取すると、血糖値の急激な上昇を招き、体調不良につながるケースもあります(いわゆるペットボトル症候群)。スポーツドリンクは適量にとどめ、麦茶や水なども組み合わせて摂取することが望ましいとされています。
また、近年は企業による暑さ対策の啓発も広がっています。たとえばサントリーは、やさしい麦茶など水分補給飲料を展開する「GREEN DA・KA・RA」を通じて、親子で日傘を使うことを提案する取り組み「おやこひがさ大作戦!」を全国で展開しています。こうした動きも参考にしながら、自分に合った暑さ対策を取り入れることが大切です。
3つ目は、本格的に暑くなる前に体を慣らす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。日常的に軽く汗をかく習慣を取り入れることで、体温調節機能が働きやすくなり、熱中症の予防につながるとされています。通勤時に1駅分歩く、エスカレーターではなく階段を使う、ストレッチなどの軽い運動を取り入れるなど、無理のない範囲で継続することが大切です。比較的過ごしやすい5月から6月にかけて始めておくと、夏本番に備えやすくなります。
どのような災害においても、基本となるのは「自助(自分の命は自分で守る)」の意識。年々厳しさを増す暑さに対しても、日頃から備えを積み重ねていくことが重要です。
(和栗 恵)