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「AIがすすめたから正しい」は危険? 阿部慎之助前監督の長女が直面したAIの“落とし穴” 家庭の悩みをAIに打ち明けるメリットと専門家が鳴らす警鐘

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

“あとから説明を修正する”ケースも 家庭内トラブル特有の難しさ

 また、今回の騒動では、もうひとつの慎重な見方が必要です。一般的に、家庭内暴力(DV)や児童虐待の現場において、被害者が一度は外部やAIに助けを求めたものの、警察の介入や親の逮捕といった「事態のあまりの大きさにパニックになる」ケースが少なくありません。

 その結果、「自分のせいで家族が壊れてしまった」「親の社会的地位を奪ってしまった」という激しい罪悪感や周囲への気遣いから、あとになって前言を翻し、加害者をかばってしまう心理(揺り戻し)が働くことがあるとされています。

 河畠さんは、AI相談におけるこの側面について次のように指摘します。

「AIは入力されたテキストに対して『それは本当にあなたの勘違いですか?』『無理に自分を納得させていませんか?』といった、人間のカウンセラーなら気づくような“言葉の裏にあるSOSのサイン”を汲み取ることができません。本人が『大げさに言いすぎた』とAIに再度入力すれば、AIはそれを真に受けて『解決して良かったですね』と処理してしまいます。ここに、機械相手の相談が持つ限界と、実際の専門家(人間)による多角的な介入が必要とされる理由があります」

AI相談を上手に活用するコツと、家族を守る自衛の鉄則

 では、私たちが日常生活のトラブルや悩みをAIに相談する際、どのように活用すればこのような悲劇を防げるのでしょうか。

 コツは「答え(具体的な行動指示)をもらう」のではなく、あくまで「自分の高ぶった感情や状況を整理する」ために使うことだと、河畠さんは強調します。

「『どうしたら良いですか?』『どこに連絡すべきですか?』と解決策を丸投げしてしまうと、AIは極端な一般論(通報や専門機関への相談など)を提示しがちです。まずは『今、感情が高ぶっているので、私の言いたいことを整理してください』など、思考の補助役として使うのがおすすめです。そのうえで、提示された選択肢を実行に移すかどうかは、一呼吸置いて、自分の身体感覚や現実の常識で確かめることが大切です」

 AIは、感情が高ぶったときに、自分の気持ちをいったん整理する“中継地点”としては有効です。ただ、その先で現実をどう動かすかを決めるのは、あくまで人間自身。便利さに頼り切るのではなく、“考えるために使う”という距離感が、これからの時代にはますます重要になっていきそうです。

◇河畠輝(かわばた・かがやき)
エグゼクティブコーチ、ポッドキャスター、AI顧問。約500億円のハッキング事件を経験した暗号通貨ベンチャー創業期メンバー。拝金主義への違和感から瞑想修行へ。合計17日間のヴィパッサナー瞑想を経て、AI時代における人間の身体性や意識変容を探究。夫婦で美容サロン10店舗を経営する2児の父。

(Hint-Pot編集部)