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ゲーム・漫画禁止で育った姉が“覚醒” コミケで「魔法少女」に変身…絶句した母と家族の行く末

公開日:  /  更新日:

著者:佐藤 勇馬

ゲーム禁止ルールの背景にあった、母の思いと過去の経験

 ただ、母親がゲームや漫画を制限していた背景には、強い教育への思いがありました。大郷さんの母親は1952年生まれ。シングルマザーとして起業し、実家からの支援も養育費もないなかで、子どもたちに十分な教育費をかけて育てました。姉2人が留学したいと言えば、行き先がどの国であろうと費用を惜しまなかったといいます。

 母親自身も、進学や留学をめぐって親の理解を得るのに苦労した経験がありました。大郷さんによると、祖母は「女子は大学に行く必要はない」という考えだった一方で、経済的余裕があるため「いわゆる私立のお嬢様学校」に娘を入れようとしていたそうです。しかし、母親はそれに反発して都立高校へ進学。その後、福祉への関心が高かったことから東北福祉大学へ進み、さらに北欧へ留学して福祉を学んで帰国しました。そうした姿勢によって、祖母の考え方が変わったといいます。姉の行動で母親が考えをあらためた背景には、そうした自身の経験もあったのでは、と大郷さんは見ています。

 姉は卒業後、留学経験を生かして大手商社に就職したといい、大郷さんは「勤め人として私より立派だと思っています」と語りました。

 今回の投稿に対して、SNS上では「反動で魔法少女に変身したお姉様、強すぎる!」「過度に厳しくゲームや漫画を禁止すると、大人になってから爆発するよね」「ご自分の規制のやりすぎを悟ってルールを変えたお母様えらい」「お母様が気づいてバランスを調整されたのは本当に素晴らしいです」といった反応が寄せられました。

 大郷さんは反響について、「正直言って、よくこの話題でポストしていた内容なので、ここまでの反響があるとは思っていませんでした」と話します。発端になった新聞投書の投稿には「毒親」といった非難の声が多くあったため、自分の母親にも批判が及ぶのではと心配したそうです。しかし実際には、母親が考えを変えたことに好意的な意見が多く、安心したと明かしました。

 大郷さんは、自身の代で保育園を5か所立ち上げるなど、子育て支援の仕事に携わっています。ゲームや漫画をめぐる家庭内のルールについては、「禁止しても、コントロールする術は身につきません。規制より自制力を培う訓練が必要だと思います」としたうえで、ゲーム依存などを心配する親の立場にも理解を示しました。

 最後に、大郷さんは今回の投稿に込めた思いとして、「私が伝えたかったことは、子育てに正解はないし、親も完ぺきではないということなのですが、多くの人にそのように伝わったと感じています」と結びました。

(佐藤 勇馬)