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東日本大震災で止まったヤフオクの取引 手元に残った封筒に手紙を添えて落札者へ 発送の決意に感動の声「無事に届きますように」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ペテッコさんが綴った手紙【写真提供:ペテッコ(pete.339)さん】
ペテッコさんが綴った手紙【写真提供:ペテッコ(pete.339)さん】

 東日本大震災から15年。あの日、届けられなかった荷物や、途絶えてしまった約束は少なくありません。スレッズでは、震災で発送できなかったヤフーオークション(ヤフオク)の落札品を、十数年の時を経て手紙とともに送り出したという投稿が話題に。投稿者のペテッコ(pete.339)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

十数年の時を経て、あの日届くはずだった封筒に添えられた手紙

 ペテッコさんは過去に、趣味で車用のステッカーを製作してヤフーオークション(ヤフオク)に出品していました。商品が落札されたある日、支払い前の段階で東日本大震災が発生。そのまま、落札者と連絡が途絶えてしまいました。

 宛先は、福島第一原子力発電所事故の影響で一部地域に避難指示が出された川俣町でした。当時、茨城県に住んでいたペテッコさんも、さまざまな事情から発送することができず、ステッカーが入った封筒は手元に残されたままでした。

 そして今年5月、部屋の片づけをしていた際に、その小さな茶封筒が再び姿を現しました。そのことをスレッズに投稿すると、ペテッコさんの元には、福島にゆかりのある人々や当時を知る多くの人からの声がたくさん届きました。そして、その声に背中を押される形で、この封筒を当時の落札者へ送ることを決意します。

 手書きの手紙を添えて、発送したことを報告する投稿のリプライ(返信)には、「無事に届きますように」「もし自分が受け取り主だったら感動を覚える」「匿名発送がなかった当時のヤフオクだからこその繋がりですね、無事を祈ります」といった、温かい応援のメッセージが数多く寄せられています。

実家が全壊…震災当時は「自分の生活を守るだけで精一杯だった」

封筒に手紙を添えて送ることに【写真提供:ペテッコ(pete.339)さん】
封筒に手紙を添えて送ることに【写真提供:ペテッコ(pete.339)さん】

 震災では、ペテッコさんの実家も全壊しました。幸い家族は全員無事でしたが、当時は自分や家族の生活を立て直すことで精一杯だったといいます。

「今振り返ると、取引相手の方のことまで気にかける余裕はありませんでした」

 封筒を再び目にしたときは、「まだ残っていたんだ」と驚いた一方で、「もっと早く何かできたのではないか」という後悔に似た思いが湧き上がってきました。そして、見つかった封筒に添える手紙に、どのような言葉を綴るべきか、ペテッコさんは本当に悩んだといいます。

 手紙を書き上げ、投函を終えた現在の心境について、ペテッコさんは「ようやく一歩前へ進めたような気持ちです」と語ります。相手が今もその住所に住んでいるのか、本当に届くのかはわかりません。それでも「何もしないままで終わらせるよりは良かった」と振り返ります。

 また、福島や川俣町を知る人たちから寄せられた励ましの言葉については、「あの手紙を送る決心がついたのは、間違いなく背中を押してくれた皆さんの言葉があったから」と感謝の気持ちを語っています。

(Hint-Pot編集部)