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「香典辞退なのに渡して良い?」 葬祭のプロが教える、葬儀で迷いやすいマナー

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

香典辞退の案内があっても、「気持ちだから」と無理に渡すのは避けたほうが良い場合も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
香典辞退の案内があっても、「気持ちだから」と無理に渡すのは避けたほうが良い場合も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 通夜や葬儀に参列する際、「これはマナー違反になるのだろうか」「どう振る舞えば失礼にならないのだろうか」と悩んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。近年は家族葬やお別れの会など、葬儀の形式も多様化しています。そのため、かつては当たり前とされていた考え方が、必ずしも当てはまらない場面が増えているようです。「さがみ典礼」を運営するアルファクラブ武蔵野の広報さんに、葬儀の場で迷いやすいポイントについて教えていただきました。

 ◇ ◇ ◇

善意がご遺族の負担になることも

 葬儀の場では、「少しでも気持ちを伝えたい」と考える方も多いでしょう。しかし、その善意がご遺族の負担になってしまうことがあります。

 代表的な例のひとつが、香典辞退の案内が出ている場合です。ご遺族が「香典は辞退します」と案内しているにもかかわらず、「気持ちだから」と無理に香典を渡そうとする方がいらっしゃいます。

 しかし、香典を受け取った場合、ご遺族は香典返しをどうするかなど、新たな対応を考えなければなりません。ご遺族に余計な負担をかけないためにも、香典辞退の意向が示されている場合は、その意思を尊重することが大切です。

 また、意外に見落とされがちなのが「連名での香典」です。

 夫婦連名などは問題ありませんが、友人や同僚数人で少額の香典を連名にすると、ご遺族が香典返しの対象や金額設定(いわゆる「半返し」の計算など)に悩む原因になることがあります。

「行けないけれど名前だけ入れておこう」。そんな軽い気持ちが、結果としてご遺族を困らせてしまうこともあるため、個別で適切な金額を包むか、弔電や供花など別の形で表すほうがスマートです。

「お別れの会」は何を着れば良い?

 近年は家族のみで葬儀を行い、後日改めて関係者を招いて故人様を偲ぶ「お別れの会」も増えています。こうした場面では、「何を着て行けば良いのだろう」と迷う方も少なくありません。

 お別れの会に参列する場合は、「平服でお越しください」などの案内がない限り、喪服を基本に考えておくと無難です。

 一方で、学生であれば制服が正式な礼装とされていますので、制服での参加でも問題ありません。

 また「生前、お祭りが好きだったから地域の法被を着たい」など、特別な希望がある場合もあるでしょう。そのようなケースや、どう判断すれば良いかわからない場合は、自分だけで決めるのではなく、主催者(喪主)や式場へ事前に確認することをおすすめします。

 葬儀の場合、焼香や香典の作法などに不安を感じる方も多いですが、香典袋や数珠の準備、礼服の確認なども含め、事前に少し確認しておくだけでも安心して参列できます。

 冠婚葬祭の場では、マナーの正解を探すことに意識が向きがちです。しかし本当に大切なのは「自分が正しいかどうか」ではなく、「相手に失礼がないか」「相手の気持ちを大切にできているか」を考えること。

 迷ったときほど、その視点に立ち返ることが、失敗を防ぐ一番の心がまえではないでしょうか。

(和栗 恵)