食
最盛期迎えたピーマンとパプリカ 色以外に何が違う? 暑い季節の取り入れ方を栄養士が解説
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実

夏野菜としておなじみのピーマンと、彩りの良さで料理を華やかにしてくれるパプリカ。どちらも暑い季節に取り入れたい野菜ですが、栄養面で見ると違いがあります。暑さや紫外線が気になる時季には、どちらを選ぶと良いのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
◇ ◇ ◇
同じ仲間でも栄養成分には違いがある
一般的には、緑色のものをピーマン、大型で肉厚のカラフルなピーマンをパプリカと呼びます。輸入品もあり、通年で手に入りやすい野菜ですが、ともに最盛期は夏です。生のままサラダにしたり、炒め物の彩りに使ったりと、手軽に幅広い料理に取り入れやすいのも魅力のひとつでしょう。
ピーマンは、中南米原産の野菜で、明治の頃には日本に伝わっていたようです。品種の改良が進み、昭和30年代以降は、食卓に広まっていきました。一方、パプリカは「ジャンボピーマン」ともいわれ、ふっくらとした形で、赤や黄、オレンジなど鮮やかな色が特徴です。比較的新しい野菜で、平成になってオランダから輸入されたことをきっかけに、日本で流通するようになりました。
ともにナス科トウガラシ属の植物です。同じ属の仲間ですが、栽培品種が異なり、含まれる栄養成分にも違いがあります。
抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eが豊富なのは?
ピーマンもパプリカも、抗酸化作用で知られるビタミンA・C・Eを含んでいます。ビタミンA(βカロテン)は皮膚や粘膜の健康維持に関わり、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるため、美肌効果に期待できます。ビタミンEは血行を促し、細胞の老化を防ぐ働きがあるとされる栄養素です。
これらの栄養素は、ピーマンよりもパプリカのほうが多く含んでいます。パプリカのなかでも、とくに赤パプリカの栄養価が高いです。暑い季節に気になる紫外線対策や、夏バテ予防の栄養補給を意識するなら、赤パプリカがおすすめといえるでしょう。
ただし、緑色のピーマンには、特有の香り成分であるピラジンが含まれています。近年、血流を健やかに保つ働きで注目されている成分です。ワタや種に多く含まれているため、苦手でなければ、取り除かずに調理して食べると良いでしょう。また、腸内環境の改善に期待できる食物繊維をパプリカより多く含むのも、緑色のピーマンの特徴です。
暑さで食欲が落ちやすい時季は、彩りや食感も食べやすさにつながります。抗酸化作用を重視するなら赤パプリカ、食物繊維や香り成分も取り入れたいなら緑色のピーマンを選ぶと良いでしょう。ピーマンもパプリカも使って、見た目も鮮やかに仕上げるなど、目的や料理に合わせて、夏の食卓に取り入れてみてください。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾