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麦茶の「水出し」と「煮出し」 食中毒リスクが高まりやすいのはどっち? 作る際にやりがちな“NG行為”も… 注意点を栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

夏は家で作る機会が増える麦茶(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夏は家で作る機会が増える麦茶(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 夏の飲み物の定番といえば、麦茶。蒸し暑い日が続く今、家で作る機会も増えるでしょう。手軽な「水出し」と、昔ながらの「煮出し」。どちらで作ってもおいしく飲めますが、食中毒リスクの面で注意したい点があるようです。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

麦茶の原料は大麦 炭水化物を含むのが特徴

 家庭で作る麦茶には、水出しや煮出しがあります。一般的に水出しは、容器に入れた水に麦茶パックを直接入れて抽出するもの。煮出しは鍋ややかんで水を沸騰させ、火にかけたまま麦茶パックや麦茶粒を入れて煮出すものです。最近では、煮出しと似ていますが、沸騰したら火を消して、パックを入れて蒸らす「湯出し」タイプもあります。

 食中毒リスクの面では、火にかける煮出しのほうが衛生的だと思われがちですが、水出しであっても煮出しであっても、細菌の増殖に大きな差はないと考えられています。重要なのは作り方よりも、作ったあとの麦茶の保存方法です。

 そもそも、麦茶の原料は大麦を焙煎したもので、茶葉ではありません。穀物のひとつで、主成分は炭水化物。炭水化物は細菌のエサになりやすいため、とくに暑さが増す時季は、注意が必要です。

作り方よりも、容器や保存方法が大切

 煮出しでも水出しでも、保存する容器に傷がついていると、汚れがそこに残り、菌が繁殖する原因に。プラスチック製は扱いやすいですが、傷がつきやすいことがあります。清潔に保ちたいのであれば、傷がつきにくいガラス製の容器がおすすめです。

 また、作った麦茶は、速やかに冷蔵庫で保存するのが基本です。水出しであれば、容器ごとそのまま冷蔵庫に入れれば良いですが、煮出しの場合、やかんや鍋に入れたまま常温で冷ますのは、食中毒リスクが高まる原因になるため避けましょう。

 菌の多くは、20~40度の範囲で活発に増殖するといわれます。菌を増やさないためには、菌にとって快適な温度になる時間を、できるだけ短くすることが重要です。麦茶を煮出したら、急冷することを心がけてください。

 たとえば、氷水が入ったボウルや大きめのフライパンに、麦茶が入ったやかんや鍋ごと入れたり、大きめの保冷剤の上にのせたりすると、冷めやすくなります。急冷して粗熱が取れたら、清潔な容器に移して冷蔵保存してください。

 また、水出しでも煮出しでも、麦茶パックを入れたままにすることはやめましょう。長時間浸けたままにしておくと、雑菌が繁殖しやすくなります。パッケージに記載されている時間を守り、抽出後は速やかにパックを取り出すのが基本です。

ミネラルたっぷり 夏の水分補給に

 麦茶は、ナトリウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルを多く含みます。また、抗酸化作用のあるポリフェノールも含み、健康をサポートしてくれるでしょう。

 独特の香ばしい香りは、アルキルピラジン類という成分。近年、血液をサラサラにする効果が注目を集めています。ノンカフェインなので、子どもから高齢者まで幅広い年代で飲みやすいでしょう。

 家庭で作る際は、水出しでも煮出しでも、容器や保存方法に気をつけ、早めに飲み切ることが大切です。とくに煮出した場合は、火にかけているため食中毒リスクが低いと思われがちですが、常温で放置せず、急冷して粗熱を取り、冷蔵庫保存することが大切です。夏の水分補給に役立つ麦茶だからこそ、衛生面にも注意して、おいしく安全に楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾